No. 00003
DATE: 1998/05/30 15:50:03
NAME: ルフィス
SUBJECT: 若き日の肖像(後編)
ルフィスはケインを迎えに行こうとする仲間を引き止め明日ベストゥリーの屋敷に突撃する算段を立てていた。
ケインが不在の今、この集団を率いるのはルフィスであり、犠牲者を出さないように作戦も立てねばならなっ
かった。
エレミアに雨が降り始めた・・・・・
作戦を立て仲間に発表をした後、今すぐ助けに行きたい気持ちを押さえ明日に備えて眠りについた。
・・・深夜、何者かの気配に目を覚ましたルフィスは目の前にブロードソードを持った人影を見つけ傍らの
剣を取り横に転がる、一瞬前まで身体を横たえていた地面をブロードソードが叩き、乾いた音を響かせる。その人物が誰かは逆光になっていて解らなかったが、かなりの腕前だった。ルフィスは起き上がると同時に剣を抜き、人影を切り付けるがあっさりと弾かれる。何度か剣をあわせルフィスが月を背負った時、人影は目が眩んだのか一瞬動きを止める。
その隙を逃すルフィスではなかった。
「もらった!」
ルフィスが相手を切り倒した時月明かりによって見えた顔は・・・・・・・ケインだった。
その後、不良集団をぬけたルフィスは1人、オランにいた。
ケインを自分の手「で殺したルフィスにはもう何も残されてはいなかった・・・・
『オレはまた、誰にも必要とされない者になったのだ・・・・・・』
『オレにはもう自分の生き死にも関係ない・・・・』
絶望の中、あたりを見回し目に付いた酒場に向かう。
酒場には「きままに亭」という看板が掲げられていた・・・・・・