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No. 00011
DATE: 1998/06/10 00:43:25
NAME: ラーロカ
SUBJECT: セリカの死
セリカにいちゃんは僕らみたいな身寄りの無い孤児達の為にいつも遊び相手になっていてくれた。
仕事のある日は別にして、殆ど毎日僕らの為に来てくれた。
そんなある日・・・。仲間の1人であるサイノスが高熱を発して倒れたんだ。
原因は分かっていた・・。彼女は美しい歌声の持ち主で、
毎日毎日オランの有名な合唱団に入る為に練習していたんだ。
団長さんにも既に彼女の実力は認められていて、もう少しで正式に入る事が決定していたんだ。
その毎日の厳しい練習の為、喉が腫れたんだ。
カレンは「あと少ししたら直るから・・」と自分を励ます様だったけど日に日に悪くなる一方で・・・。
だけど、僕らにはセリカにいちゃんを待つしかなかった・・・。
セリカにいちゃんは、リヴァースとか言う冒険者と一緒にどこかへ出かけたみたいだった・・。
セリカにいちゃんが帰ってきた、という知らせを聞いていつも居る酒場へと僕は飛んだ。
セリカにいちゃんはその話を聞くと旅の疲れも言わずに直ぐに僕らの住む場所へ向かった。
そして・・・。
「よし、俺が何とかしてやる。」と言って直ぐに又旅に出る準備をしたんだ。
セリカにいちゃんが言うには、この子の喉を直すにはある薬草が必要で、その必要な薬草は
オランの西の洞窟に生えてるって言っていたんだ・・。
僕も無理を言って一緒に着いていくって言ったら快く「良いぜ」って言ってくれたんだ。
それが・・・間違いだったんだ。
洞窟では見る物全てが珍しくてたまにゴブリン何かも出たけどセリカ兄ちゃんの敵じゃなかった。
そして、あと少しって所で・・薬草を発見したんだ。
僕ははしゃいでそのまま走っていくと・・。何か「プチッ」っと言う音がしたんだ・・
見ると・・・僕の見たことのない魔物達が・・・出てきたんだ。
僕には・・どうしようも無かった。
セリカにいちゃんは「俺が魔物を引き受ける!だからお前は薬草を採って逃げろ!
そしてカレンにそれを与えてやれ!あと、俺が1日戻らなかったらこの間俺が居た酒場にリヴァースて奴が居る、
そいつに剣を返して貰ってその剣を売れ!かなりの額になる!」
って言って魔物達に向かって行ったんだ・・。
もう・・一日たつけど・・・セリカにいちゃん・・かえって・・来てないよね・・・・。
もし・・・いつも使っている剣だったら・・。
もし・・・旅の疲れを癒せていたなら・・・・。
もし・・・僕がついていかなかったら・・・。
もし・・・・・。
セリカにいちゃん・・・ごめん・・・。
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