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No. 00023
DATE: 1998/06/29 00:28:10
NAME: プリム
SUBJECT: 出生の秘密
・プリムの出生の秘密
いまから109年前、ハイエルフのラルアシャル・メイを長老とするエルフの集落がアレクラストの中東部の深い森にあった。
その集落でプリムはサイヤーグ夫妻の子供として生まれた。もちろん最初の名前はサイヤーク・プリムであった。
元々サイヤーク夫妻は狩りを得意とする方で、プリムも5歳のときから狩りを習い始めた。
30歳のとき、一人で狩りをしているとたまたまその森に通りかかった青年に出会う。歳は同じくらいでまだまだ旅慣れていないような感じがする人間ではあった。
最初はプリムは森を汚す侵略者として攻撃をしていたのだが、手加減しないとやられそうな冒険者レベルしかなく。結局、その場を離れた。
しかし、お節介やきな面があるプリムは結局その青年についていく。
青年はこのことを知ったのは、出会ってから半月ばかり過ぎた夜のこと、闇夜に油断していた青年は、瞬く間にコブリンに囲まれたときだった。
プリムの後方支援で何とかその中を脱することはできたのだが、その時にプリムが深手の傷を負ってしまう。
青年はプリムを助けたことは言うまでもないが、この時、プリムは青年自分がもやもやしている気持ちがはっきりと消えていくことを感じ、ついには青年にパートナーとしてついていくことを決心した。
もちろん、このことはサイヤーク夫妻は大反対。結局、絶縁をしてエルフの集落を後にする。
それから8年間、2人はアレクラスト西部への旅に出る。当時は戦国時代の乱世。戦などにも巻き込まれたりもしたが、安住の地を探し2人は西から東へと進路を変えて行った。
そして、運命の時を迎える。2人はエストン山脈の麓に広がる森で野営しているところを、ライカンスロープにおそわれ、プリムをかばうために彼は深手の傷を負う。
これ以上の戦闘は不可能と判断して、二人はすぐ側の渓流へと身を投げた。
どのくらいの時間だたったのだろうか、プリムが目を覚ましたときは、かなり下流の河原に流れ着いていた。彼を探すためにプリムはすぐに川周辺を探し始めたが、結局わからずしまいだった。
そして、再会するまでにさらに7年の時間が必要だった。今のオランで、新しい仲間たちと失踪事件の依頼を受け、依頼元の村で偶然に彼と再会をした。彼もまたプリムを探しに各地を働きながら転々と回っていたという。
すでに28歳を向かえた彼はこの村で再会できるのではと半年近く待っていたという。だが、その再会の喜びは砂漠の砂のようにも脆くも崩れ去ってしまった。
失踪事件の首謀者は彼であり、7年前にライカンスロープで負った傷から毒に犯され、来館すポープとして生きていたのだった。
それを知ったプリムの気持ちは想像絶するような失意に包まれたという。そして、彼はプリムからそのことを知る。
彼もそのことにショックを受けていたようだが、しばらくして事実を受け入れ、最後までプリムと二人っきりで思い出で話をしていた
やがて、ライカンスロープに肉体や精神を支配され始めると彼はプリムと一緒にいるパーティーを呼び、プリムを強く突き飛ばした。
そして、彼自身用意していた銀のナイフで自らの体を刺し始めたが、うまく行かなかった。
変身が完了する直前、彼はプリムに向かってわずかに残る自分の意志で「ありがとう」の言葉を残し、プリムたちへ牙をむけた。
戦いは、迷いと悩みの中で始まったが、最後にプリムが彼が落とした銀のナイフで止めを刺し、終わった。
深い悲しみを隠しながらも、パーティーのメンバーには立ち直ったように見せその場をしのいだのだが、この依頼が終わるとプリムは彼の持つ銀のナイフを持って、パーティーから離れていった。
そして、プリムは森深い闇がつつむ中で5年間、悲しみに暮れいていた。闇が闇を呼びやがて、悲しみの精霊などの負の精霊がプリムを包み、やがてプリム自身の精神が徐々に消え、変わって別の精神がその空いた隙間に入り始めた。
それをいち早く気がついたのは、ハイエルフのラルアシャル・メイだった。メイは、半分以上を闇の精神(ダーク)に犯されているプリムを見つけ出し、極秘に自分の家の地下室へプリムを運んだ。
初めはダークエルフのプリムに苦難を強いられていたが年を重ねて粘り強く処置を施し、38年の歳月をかけてようやく元の精神をよみがえらせさせることができた。ただ、元のプリムには戻るのにはまだ時間がかかるため、ある程度闇の精神が弱くなったところで、封印の髪飾りをつけることになった。
だが、その副作用で、プリムの持っている技術はすべて白紙に戻ったのだが、事故による精神の欠如(記憶喪失)という理由で村に戻れることができた。
もちろん、サイヤーグ夫妻はプリムが戻ってきたことは歓迎していたが、自分の子として育てようとは思わなかったという。
メイ自身もそのことはすでに予測していたという、プリム自身に持っている秘密を公にすると村から永久追放にされてしまうからだ。
そのため、プリムはメイの子供として生活するようになった。
ところで、ラルアシャル族では100歳を超えると見聞のため村を出て旅に出される。プリムのその例外もなく旅に出た。
プリム自身にはすでに、過去の経緯をメイから知らされている。(メイはダークプリムからその事実をしっているため)
それゆえに、パートナーを持つことに対してひどく恐怖心を持っているが、女性騎士・フェイ=ル=イェンの出会いでその恐怖心をぬぐいさり、そして、心を開くようになった。
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