No. 00025
DATE: 1998/07/02 20:55:29
NAME: アール
SUBJECT: 過去
俺はそいつの首を刎ねた。なんの感慨も湧かない。俺が初めて人を殺したのは6才の時。その日から毎日のように人を殺してきた。
俺は暗殺者としてギルドに育てられた。仲間はすぐに減るが、また増える。ギルドは俺を優秀だと褒めてくれる。俺が死なないからではなく、殺しが成功するから。
昨日も仲間が死んだ。ギルドは死体をゴミくずのように捨てた。
俺が入った時からの仲間は一人になった。
先に死ぬのと最後まで残るのとどっちがつらいのだろう。
さっき最後の仲間が死んだ。怪我した仲間にギルドから渡されていた
薬を使うと、苦しみだして死んだ。仲間が苦しんでいても俺はなにも
できなかった。ギルドから教えられたことは人の殺し方だけ。俺は人を
殺せても、生かすことはできなかった。
俺は殺しが嫌になりギルドから逃げた。それから追手を何人も殺した。
鍛えた暗殺術や魔法、この旅での成長が俺を生き延びさせた。
ザーン辺りで追手の姿はなくなり、俺はなんとかオランに辿り着いた。