No. 00036
DATE: 1998/07/09 11:38:43
NAME: アール
SUBJECT: 逃亡
俺は今、4人の暗殺者に囲まれている。
4人は毒塗りのダガーを構えていて、かなり腕も立つようだ。
こちらから迂闊に動けない。
(ちっ 厄介な連中だ)
音もなく暗殺者の1人がこちらに向かって跳んだ。
(みえすいたおとりだな)
残りの3人が死角に周り込もうとする。
(させっかよ)
俺が1流の暗殺者だった理由は3つある。
<1つ目の理由、咄嗟に作戦を立てることができる頭脳。>
(1人を攻撃すれば残りの攻撃を避け切れない、ならばまとめて倒す。)
<2つ目の理由、虎をも上回るスピード。>
俺は跳びかかってきた暗殺者の横を神速の動きですり抜ける。
人間離れした俺の速さに暗殺者逹の動きが一瞬止まる。
(ここだ!)
<3つ目の理由、俺は魔法もそれなりに使える。>
「万能なるマナよ、灼熱の炎となりて、我が前に立ち塞がりし愚かなる者どもを灰塵へと化せ。」
魔法の発導体である指輪が赤く光った。
すさまじい爆発音を響かせ、オレンジ色のファイアー・ボールは4人の暗殺者を飲み込んだ。
数秒後、辺りに静寂が戻った。
死体の埋葬をした後、俺はゆっくりとその場から立ち去った。
(明日は我が身・・・・・か)