No. 00061
DATE: 1998/08/18 14:38:27
NAME: アール
SUBJECT: 刺客
毎度のことながら俺は今日も刺客に襲われている。
ロマールとザインを結ぶ街道の中間くらいで3人の暗殺者に取り囲まれた。
俺を追いつめたつもりなのか正面の男が余裕で話しだした。
「けっけっけ ちょっと腕がいいからって調子に乗りすぎたなぁ」
(うるさい 三流野郎)
俺が黙ってると、バカは調子に乗ってベラベラとしゃべり続ける。
「ギルドの幹部を殺したうえに、ギルドの宝をごっそりと盗むとはな」
(10年分の俺のギャラだ)
「てめぇを殺れば、賞金5万ガメルがもらえるんだ」
(俺の所持金の五十分の一ってとこか 俺を相手にするには安すぎる報酬だ)
「そういうわけで 死ね」
(お前らがな)
俺はミスリルブロードソードを構えた。
戦いが始まり俺は自分が間違っていたことに気付いた。
こいつらを三流扱いしたことを訂正しよう。
それぞれの強さもかなりのものだが、三位一体の攻撃には微塵の隙もない。
(二流に格上げしてやる)
一人を攻撃すれば残り二人の猛毒付きのダガーが俺に襲いかかる。
俺は攻撃をひたすら避けるだけで自分からしかけることができない。
「ひゃははっ どうしたこんなもんか 暗殺はうまくても所詮はガキか」
(・・・冥土の土産に一流の強さを教えてやるよ・・・)
俺は素早く呪文を唱え始めた。
「万能なるマナよ・・・・・」
同時に3人の暗殺者が距離をつめる。
「無駄無駄ぁ この近距離では魔法は使えない」
俺はその言葉を無視して、呪文の詠唱を続ける。
「万能なるマナよ 極寒に住まいしフェンリルの息吹となりて 死の嵐よ吹き荒れよ」
「なにっ!!」
俺の唱えたプリザードは俺を中心に3人の暗殺者を巻き込んだ。
プリザードで俺もかなりのダメージを受けたが、敵2人倒したうえに、残りの1人にも瀕死の重症を与えた。
並の戦士よりある体力と一流の根性があって初めてできる戦い方だ。
つけ加えると死を恐れない俺と呪文は使えないと油断してたやつらの覚悟の差ってとこか。
「死ねやー!!」
最後に残った男は無謀にも1人で斬りかかって来た。
(・・・バカが)
俺は攻撃をあっさりとかわし、そいつの首を刎ねた。
(ふー・・・つかれた・・・・)
俺は街道の傍にそいつらの簡単な墓を作った。
「早く普通の生活がしたいな・・・」
小さくつぶやきながら、オランに向かって再び歩きだした。