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No. 00085
DATE: 1998/10/26 16:30:43
NAME: ミチル
SUBJECT: マーファ神殿の災難、もしくは恐怖のコック
本日マーファ神殿にて、昼飯を食べた神官等数十人が食中毒に良く似た症状を訴えた。
彼らの内何名かが症状が重く現在も入院中。食中毒の原因になるものが見当たらないため警備兵本部は食中毒と毒物の両面で捜査中。
(オラン日報より抜粋)
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証言1・その日の料理係”M”
「別に・・・、普通に料理を作っただけです。目は離さなかったですし、材料も新鮮な物を使いましたよ。」
証言2・もう一人の料理係”S”
「あによ、あたしを疑ってるの?あたしの料理は美味しいってみんなに評判よ。」
証言3・入院中のとあるマーファ神官
「別に・・・、味や匂いに異常はありませんでした。食べてからしばらくして猛烈な腹痛と下痢に襲われて・・・。」
証言4・謎のたれこみ
「料理係の二人が原因でござる。」
注:同様のたれこみが多数あった、現在事実関係について調査中
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警備兵詰め所
「以上が現在までの主な証言です。」
「ふーーむ、このたれこみは?」
「はい、事件が街に広まると同時に様々な形で届けられました。」
「例えば?」
「矢文、投げ込み、ウインドボイス・・・その他考え付くありとあらゆる方法です。」
「・・・そうか、その線でも当たってみる必要がありそうだな。ところで、問題の食事は?魔術師ギルトに鑑定に出したのか?」
「それが・・・、普段は残るのに今回はきれいさっぱり平らげたそうで、少しも残ってませんでした、とりあえず鍋と患者の嘔吐物は出しました、結果はもうすぐ出るはずです。」
「そうか、残念だな。ところで・・・料理人の方は?」
「当番制だそうで、今回は若いハーフエルフの神官二人でした。」
「この証言MとSのことだな。」
「はい、私が事情聴取したのですが・・・、特に怪しいところはありませんでいした。」
「うん、我が警備隊がほこる尋問上手のおまえが言うなら白かな。」
「あ、ボス鑑定結果が出たそうです。」
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魔術師ギルドのレポート
ラーダ神殿にも協力を要請し、鑑定の結果以下の事が明らかになった。
鍋に残った食物などは新鮮で問題は見とれられない。
しかし、料理の残存および患者の嘔吐物を鑑定した結果我々の未知の物質が発見された。
魔術師ギルドとラーダ神殿の総力を結集たけっか、この未知の物質の合成に成功した。
この毒物(仮称・セシミチン)はこれまで知られているあらゆる毒物より、はるかに強力である。
以上の事より、これは何者かによる毒物混入事件と思われる。
なお、毒物(セシミチン)については現在も調査中であり、詳しいデータが出次第報告する。
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「なんだ、これは?」
「すさまじいですね。」
「とにかく、これではっきりした、これは刑事事件だ。直ちに捜査本部を設置しろ!!」
「はい、ボス!!!」
「警備隊の名誉とオランの安全がかかった事件だ、必ず解決するぞ!!」
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捜査員百人以上を動員した、”マーファ神殿毒物事件”は結局迷宮入りし、同様の事件も起きなかった事から人々の記憶から次第に消えていった。
なお、”セシミチン”は魔術師ギルドとラーダ神殿により封印され、歴史の中に消えた。
なんでも、1キロでオラン全滅(一時的に)だそーだ。・・・どうやって作ったんだろ。あれはあの二人以外に作れそーにないのに。
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事件より数日後、オランの冒険者酒場”きままに亭”
「何だったんでしょうね。」
「知らないわい、あたし達が当番の時に起きるなんて迷惑もいいとこよ。」
「そうですね、どこの馬鹿なんでしょうね、薬物なんて入れたの。」
「見つけたらずーええったい、ぎったんぎったんにしたる。」
「私も手伝います!」
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おまえらが原因なんだよ・・・(爆)
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