No. 00015
DATE: 1998/12/05 01:04:16
NAME: ラッド
SUBJECT: ケンカの終末2
いつからだろうか。この視線を感じるようになったのは。
街にいる時、必ず感じるこの視線・・・・
だが、自分に気のある女性など、まずない。
怪しい連中につけられるような悪い事もした覚えがない。
じゃあ、この街中にいる時に感じる視線は一体・・・・・
バッと突然振り返る。
だが、そこには買い物客やら、物売りやらがごったがえして
いるだけ。
おかしい。
家をでてから、めずらしい物を探すために何十件という冒険
を繰り返した。
そのため、自分自身でも、かなり強くなったことがはっきり
と解る。
・・・・・・・反対にそのためだろうか。視線を感じるのは。
だとしたら・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・
まさか。
ラッドはある事を思い出し、青ざめる。
目の前にいた物売りのにいちゃんが、心配そうにしている事
にも気がつかない。
もしそうならば・・・・・・
まずい。
いや・・・・・・・まずいどころの話ではない。
物売りのにいちゃんが、ラッドに声をかける。
もし本当に、ほんとうにそうならば・・・・
殺される。
「人の話聞いてるのかよぉ!」
物売りのにいちゃんが、ラッドの首もとを掴んでがくがくや
る。
無視され続けた怒りもあり、かなりのいきおいがある。
その勢いは一秒間に五回くらい首ががくがくしている程。
もう一度、物売りのにいちゃんが声をかけた時、すでにラッ
ドの意識は遠くに飛んでいたりした。
その後も、あの視線は続いている。
街の中だけであることも気がついた。
夜にはなくなることも気がついた。
・・・・気にならない訳がないが、極力気にしない事に決めた。
なぜならば・・・・
いや、やめておく。
オレはまだ死にたくはない。