No. 00025
DATE: 1998/12/14 08:53:44
NAME: アルムーン
SUBJECT: 本当の家族
苦しそうな表情で、それでも彼女−カレン−はあたしの部屋に在る鏡の前にあたしを座らせ、そして隣に顔をくっつける。
『似ている.......?』
あたしは驚愕した。
毎日自分の顔を見ているとはいえ、彼女がここまで自分にそっくりだとは思わなかったのだ。
セシーリカさんが驚いていた訳が判る。
「間違いないでしょ......」
そう呟くと、彼女は立つ。
「......あ、あたしの....妹..って話のコト?」
あたしの声は擦れてる。
「えぇ」
彼女は苦しそうな顔で驚愕のまま自分を見つめるあたしを見る。
『深い哀しみ?』
あたしは彼女の表情を見て、なんとなく思った。
だが、彼女はうってかわって嬉しそうに微笑む。
「これで、お父様もお母様も喜ばれるわ」
ずっとずっと探していたの? 生きているかどうか判らないあたしを...。
あたしの問いは、彼女の微笑で肯定された気がした。
思っても見なかった。本当の家族が、あたしをずっと探していてくれたなんて。
「あなたがいなくなってから、お父様もお母様もあなたを気にして気にして、.......お母様は壊れてしまっているわ.....」
......そんな状態になるまで....あたしのことを気にかけていてくれたなんて。
.........知らなかった...。
育ての親だけだったけど、15までのあたしはとても幸せだった。その後の『現在』も、カミルが弟としてあたしの側にいてくれたから...だから、今の境遇を嘆いたりしたことなかった。
「.....お父様とお母様に...お会いしていただけますよね?」
「えぇ...もちろん」
カミルには悪いけど。
あたしは、本当の家族に会いに行く。