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No. 00060
DATE: 1999/01/20 22:31:24
NAME: ラザラス
SUBJECT: リードの行動
リードの行動1/19、20
あの子供の身のこなしは、訓練されたものだろう……。しかし、どこで?
私を監視していた視線も気になる……。
この孤児院は何かあるのだろうか?
もうしばらく孤児院を調べてみるか。監視していた奴に動きがあるやもしれん。
リードは続けて孤児院について調べることにした。そもそもファラリスの噂はどこから出てきたものなのか。全くのデマとも言い難い。とくにあのラザラスは何かしら知った上で口にしていた。それは何なのか? 本人に聞けば早いものだが、他人に頼るような真似はしたくはなかった。特にあのラザラスには……。
彼は衛視の元へ赴き、過去の孤児院にかかわる事件を調べることにした。顔が広いとこういうところで役に立つ……。
丸二日を費やして調べ上げると、6年前と15年前、19年前にファラリスが管理する孤児院が存在していた事実を突き止めた。
表面的にはマーファの司祭を装ったファラリス信者が管理運営しており、自由な教えを広めていた。子供たちの世界はよりファラリスの教えを享受できる環境であり、力関係による支配服従がいとも簡単に作られていた。いわば、ファラリス教団にとって孤児の育成は教えを実現していくのに丁度よかったのである。
そのとき捕まえられたファラリスの信者の証言が書き記されていた。
「自分たちの研究の手助けにするための育成を行うラーダや、子供の頃から働くことを刷り込ませるマーファやチャ・ザ、世間体のために仕方なく引き受けているファリス、戦の達人を育てるマイリーとて、我々と変わるところはないだろう! いやむしろ強制させている分、我々より悪ではないか? 子供に自由と解放を!」
自己判断能力に欠ける子供に自由も解放も唱えること自体がおかしいのだが、各神殿のしている育成も非難を免れきれるものとも言えない。
さらに調べると、その後の孤児の行方について書かれていた。15、19年前は孤児院ができてから発見が早かったこともあり、各神殿などで孤児を引き取って解決した。だが、6年前の事件では孤児院ができてから10年も経過しており、ファラリスの教えが子供たちに浸透しきっていた。その結果、引き取った先でトラブルを起こし、さまざまな事件を発生させた。しかもその後、ファラリスの孤児たちは脱走を測り行方不明になっているという。
その記憶が新しいため、各神殿の対応が冷たかったのだ。
この事件背景があるからファラリスの名前が挙がり、調査を依頼されたのだ。しかし、子供たちを見ている限りではファラリスの影はないように思える。
果たしてそうだろうか?
リードは今ある情報だけで判断することはせず、さらなる別の視点からの物事を調べてみる。
それは捕まったファラリス信者のその後であった。
三年前の事件で、四人のうち二人が死亡、一人が捕らえられた。一人は逃亡していることがわかる。捕らえられた一人は処刑されたが、その場に居合わせた者に視覚を失う呪いをかけて果てた。その中の一人にヨークシャル卿の名前を発見する。
逃亡した一人の行方は依然としてしれず、手配をしているものの手がかりはない状態であった。
もしこの信者が今の孤児院に潜り込んでいたら? そして過去の経験を活かし、無闇に自由を説いてなければどうなるか? より巧みに世間の中に紛れ込むやり方を教えていては?
そうであれば、身のこなしの良さを披露していた者が、影で叱られているのも頷ける……。
私を監視していた者はファラリスの者か?
一度、みなと情報交換した方が良いだろうな。
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