No. 00065
DATE: 1999/01/23 16:20:47
NAME: ヒレン
SUBJECT: マーファ神殿大騒ぎ!! の巻
「な、なんですかコーネリア様、この子は!!」
夜もとっぷり暮れたマーファ神殿の玄関ロビーに司祭長の悲鳴が響き渡った。
初めての散歩から帰ってきたコーネリア司祭が、行きには連れていなかった薄汚い子供を連れて帰ってきたのだ。
「・・・あ、あの、今晩泊まる所がないみたいで・・・」
コーネリアの説明もほとんど耳に入ってない様だ。
「ああっ、まずは湯浴みね、湯浴み!!誰かこの子をつれてってあげてちょうだい!!」
司祭長の命令で若い男の侍祭がその子供の両手を掴んで、半ば引きずるように奥に連れて行った。
「あ、ヒレンは・・・・・・」
コーネリアは慌てて止めようとしたが、時すでに遅し。
「ほら、コーネリア様もお疲れでしょう。お部屋でお休み下さい」
司祭長は有無を言わさずコーネリアを連れて行こうとした。
その時。
「うわああぁぁぁぁっ!!」
「わああ!!」
「キャアアアアァァァァッ!!」
湯殿の方から悲鳴が立て続けに起った。
司祭長とコーネリアが湯殿に踏み込むと、そこにはちらばった大量の短剣と、
マントで身体を隠す子供・・・ヒレンと、顔を真っ赤にした二人の侍祭が立ち尽くしていた。
察するに、一人目の悲鳴は、無理に脱がそうとして、マントの裏から落ちた短剣を見て動転し、
二人目の悲鳴はそのヒレンが「女の子」だということに気付いて動揺し、最期の悲鳴は
言うまでもなくヒレンであった。
「あのですね、ヒレンちゃんは、女の子なんですけど・・・」
遅まきながらコーネリアが真実を述べる。
その一言で、硬直していた司祭長が回復した。
「・・・誰か女性に代わらせましょう・・・」
マーファ神殿の夜は、まだまだ続きそうだった。
おわり。(^^)