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No. 00067
DATE: 1999/01/23 23:07:42
NAME: シャウエル
SUBJECT: 精神崩壊2
気がつくと、よく知った森だった。
『そうだ、私はシャウエルに呼ばれているのだった。時間にはうるさいから、いそがなければ・・・・』
慌てて走り出す。
ちょっと考えればわかるのだが、その時の彼はいそいでいたから気づかなかった。
木のない所にベチンとあたったり、木があるのに通れたり・・・・
そんなこんなで、辿り着いた所は、丘の頂上にあるほったて小屋。
バンっとドア・・・・とも呼べない物を倒して(倒れた)中にいる神官に声をかける。
「こんな辺境の地に、呼び出して何のようだ?シャウエル。」
部屋の真ん中にたたずむ女性神官にそう声をかける。
振り返りにっこりと笑う彼女の周りには、何匹かのゴブリン達。
なんとはなしに
「それに、このゴブリンどもは何なんだ?」
「私の大切な、友達よ。」
そう彼女は言うと、ゴブリンひとりひとりを紹介していく。
正直、ゴブリンみな同じ顔、声、背。
「ほら、あなたも自己紹介しなさいよ。」
なんとなく威圧的な微笑みをこちらに向ける。
普通の人ならきっと気づかないだろうけど、私は彼女が苦手なのだ。
魔法の師匠のお孫さん。師匠も人だ、孫には甘い。そのおかげで私がどれだけ苦労した事か・・・・・
いつの間にか、彼女にだけは逆らえなくなった。ううう。
どれくらい逆らえないかというと、ここまでの案内図を説明すると良くわかる。
手紙が来たのだが、書いてある事が『森』『道』『この辺』だけである。あとは線と丸で区切ったりしてある。
・・・・・三歳時でもかけそうな地図。
この手紙の差出人が彼女ではなかったら・・・・・・
見た瞬間に鼻をかんで暖炉にでも放り込んでいただろう。
とりあえず、ゴブリン達に自己紹介をしておこう。あとがこわいし。
「私の名は、アルファイト・リーム。見ての通りの魔道師だ。よろしく頼む。」
まあ、それからやった事は・・・・・・・お茶の木の裁培。
街まで資料を取りに行かされる、街や村の人から肥料などのワンポイントを聞いてこい・・・・他。
そして。
それをゴブリン達に教える事。これが一番難しい。
たまになんだかよく分からない物が育ったりしているが、ゴブリン達は気にも留めずに食べて腹を壊している事が多い。
なんだかんだ言っても楽しい日々であった。
時折、冒険者が来たりしていたが、説得して帰ってもらったり、追い払ったり。
それはそれで楽しい事だった。
あまりにも冒険者がうるさいので、砦を作る事にした。
とりあえず、柵と見張り台だけではあるが、効果があった。三日に一組が、半月に一組にまで減ったのである。
襲ってきたとしても、一斉に弓矢やら魔法やら・・・・坂を勢い良く駆け下りるゴブリンの子供達に踏み倒された間抜けな冒険者もいた。
よゆ〜
シャウエルの計画(私には何も話してはくれなかった)の方もかなり順調らしく、機嫌の良い日が続いていた。
が。その日は違った。
犬を追い掛け回していた子供達に踏まれた間抜けなのもいたが、強かった。
雨のように降る矢をばかでかい盾でかわし、魔法を受けてもびくともせず・・・・・柵を越えた方が早い事に気づかずに、制作時間30分の門を壊して来た。
子供は犬を追っかけてどこかへと行ってしまったから、残ったゴブリン達を避難させる。
さて、私も逃げようかなと思った時
「リーム君、私たちがおとりになって時間稼ぎをしましょう。」
「・・・・え?」
一瞬だが、間抜けな顔になったのが自分でもわかった。慌てて真面目な顔にもどし
「お前は皆と一緒に逃げろ。私、一人がおとりになる。」
「だめ!一応、私がここの責任者なのよ。私はここに最後までいる義務があるの。」
「だめだ!・・・・・と、言っても無駄か。適当に戦って逃げろよ。ボブ、お前もだぞ。」
そう言って近くにいたゴブリンのでかいやつの肩をたたく。
「無駄な殺生はだめよリーム君」
「ああ、わかっている。では、やるか!」
現れた冒険者に対して魔法を唱える。相手も負けじと魔法を唱えつつ2〜3人が突撃してくる。その突撃をボブと2人で迎え撃ち、シャウエルは懸命に冒険者を説得しようとしている。
分が悪い。
そう思った瞬間油断していた。私の真横には今にも大刀を振り下ろそうとしている戦士が微笑みを浮かべている・・・。
「リーム君!!!」
ザクッと言う音と共に目の前が赤く染まる、
私をかばおうとして・・・・間に入ったシャウエルは真っ赤に染まりながら地面に倒れる。
私はその光景を唖然として見つつも、無意識のうちに魔法を唱え辺りを闇で包む。
「ボブ!行くぞ!」
闇の中冷静に事態を受け止め、シャウエルを担いで逃げる。冒険者達はしばらく混乱していたが、すぐに事態を収集して追撃を開始した。
「ボブ、このままでは追いつかれる。私が囮になるからシャウエルを連れて逃げろ」
「囮なら俺がやります。ですからアルファイトさまはシャウエルさまを連れてにげてください。」
ボブの覚悟は決まっているらしくすぐさまそう答えたが力で押さえるだけでは応急処置をするだけの時間も稼げないもっと頭を使わなくては・・・。
「いや、おまえでは役不足だ、それに私よりお前の方が怪我に関しては詳しいだろ。シャウエル、お前の魔剣借りていくぞ。」
シャウエルが護身刀として所持しているバスタードソードの鞘にはゴブリン達によって、汚い字で持ち主の名前が書かれていた。
「後は任した」
そういってボブとシャウエルを見送る、程なくして追いついた冒険者に、
「臆病なる愚者どもよ!汝らに一欠けらでも勇気があろうものなら、我と一騎打ちにて勝負せよ!」
と、挑発すると一人の戦士がまんまと挑発に乗ってきた。
私は居合いぎりの構えを見せて相手を威嚇する。相手も負けじと剣を構えこちらの隙をうかがっている。
数分間の沈黙・・・・・
先に動いたのは戦士の方だった。
私は戦士の体を、自分でも驚くぐらいの速さで切りぬけシャウエルの魔剣のすごさに圧倒される・・・はずだった。
空気のように軽く感じたその剣には刀身自体無かったのである。その状況にいち早く気づいた私はすぐさま剣を鞘にもどし、また逃げた。が、しだいに崖の方に追いつめられていた。
「もう後がないよ」
私を追いつめた冒険者の一人は、威嚇するために矢を撃ってきたが、私はそれを軽くかわし魔法を唱え始める。未熟なためまだ1度も成功したことがない破壊の魔法を。
「我が望む空間の一点を元にして波動と爆炎に包み込みすべてを破壊しつくせ!!!」
冒険者達がどよめき始める。
「我の内に宿りし偉大なるマナよ今ここにてその大いなる力を発動せよ。ファイヤーボール」
次の瞬間私の目の前で爆発が起こり、その爆風によって私は崖から落ちていく、断末魔ノ叫ビヲアゲナガラ・・・・・・
・・・落ちていく
落ちていく・・・
・・・おちていく
・・・オチテイク
・・・落ちテいク・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
浮遊感。
私は今飛んでいる。
重力の束縛から解き放たれて、
私は自由に飛んでいる。
漂っている。
何故か自分を見下ろしている。
そうか、
これは夢なんだ。
ふぁーくすも出てきてる。
リアルな夢だな、
なんか引きずられてるし。
ゆっくり眠ろう、
あしたも忙しい。
なんてったって私は、
バカNo.1☆
しかも!
悪の総統♪
私の名前はあぁ・・・・・・・・
そう!
しゃうえる。
たぶんしゃうえるぅ〜♪
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