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No. 00085
DATE: 1999/02/06 00:30:18
NAME: シオン
SUBJECT: 復讐の先に・・・
俺は兄ジークから届いた手紙によりプリシスに来ていた、俺の恋人は昔権力抗争が原因で殺されてしまった、俺の親父によって・・・もちろん俺は彼女を守ろうとした、が・・その時俺は何者かによって眠らされてしまった、呪歌によって・・・
つまり共犯者がいるということになる、そいつが現れる場所がプリシスだと言うのだ
俺は早速、街で情報を集め怪しい奴らの居そうな場所を聞き、しらみつぶしに当たって行った。そして、深い森を通って宿に帰る途中のことだった・・・・
俺は怪しい気配に足を止めた
深い森に射し込む光が縞模様を作っている
小動物の気配もあったがそれとは別に
何か邪悪な殺気を感じる
俺はゆっくりとあたりを見回す
男が右手前方で俺を見据えていた
「誰だ?」
俺は剣の柄に手をかけて言った・・・
「おや?覚えてないんですか?まぁ、無理も無いあの時はぐっすりと御休みでしたからねぇ」
男は怪しげな笑みを浮かべそう言った・・・
「おっと、申し遅れました、私、『ヘイク』と言う、殺し屋です、以後お見知りおきを・・・」
「おまえがもう一人の!!」
俺は剣を抜いて素早く構えた
ヘイクと言う奴も剣をゆっくりと抜き構え、こう言った
「こんな所でやるんですか?まいったなぁ、私はこんな所で剣を振り回したことが無いんですよ、もともと私は楽器を弾いてるんでね」
ヘイクは無気味な笑いを浮かべゆっくりと間合いを詰めてきた
短い時間がゆっくりと流れる
と、そいつが剣をぴくりと動かした、
俺も反応して剣を動かした
そのときヘイクの体が音もなく動き
そしてヘイクと俺が交錯した瞬間
生暖かい液体が俺の顔にかかった
そしてそいつはその場に倒れこんだ
手応えは十分にあった、しかし・・・・
「クククク・・・・今、殺ったと思っただろう、これを斬って・・・」
そう言うと、ヘイクは一つの生首を俺に見せた・・・
「兄弟の御対面・・・クククク、今朝、私の首を獲ろうとしたんでね、逆に獲ってやったよ、まだ血が残っていたとは驚きだ・・・」
「あ・・・あ・・・・・・」
声が出なかった、手紙をくれた兄がすでに死んでいるなんて・・・・
「怒るか?泣くか?わめくなら好きなだけわめくんだな、それもわずかな時間だ」
ヘイクは手に持っていた首を無雑作に投げ捨てると再び剣を構えた・・・
「冷静になれ、相手を殺すことだけ考えろ、相手の先を読め」
俺はいつのまにか自分に言い聞かせるように呟いていた
「何を呟いている?おまえももうじき首だけになるんだ・・・」
「何かの間違いだろ?死ぬのはおまえだよ」
俺は、何かにとり付かれた様に、怒りや憎しみを消し殺気のみを放っていた・・・
「なるほど・・・」
そう言うとヘイクは間合いを一気に詰め、素早く突いてくる、俺はそれを左側に受け流し、そのまま、首をなぎ払おうとする、紙一重でヘイクがかわし、バックステップで3歩ほど間合いを開け様子を見る・・・・ヘイクの首からは微かに血が流れている。
再び一気に間合いを詰めてくる、今度は横薙ぎで首を狙ってきた、しゃがんでそれをかわすと、頭上で剣閃を止め、振り下ろしてくる、それを右に飛んでかわした俺は身を翻し、両手で剣を持って、斜めに振り下ろす、が、ヘイクは後ろにかわそうとする、それを見きった俺は、体の中心で剣を止め、右手を放し片手突きにいった!!
「ぐっ・・・・・」
ヘイクは膝をがくっと落とした・・・・・
俺は剣をズッと抜くと、とどめに、首をはねた・・・・・
しばらく俺は立ち尽していた。
そして、俺の中に一つの結論がでた
俺はもう目的を果たした、もう生きてる必要もないだろう・・・
「これで・・・終わり・・・・か・・・」
俺はナイフを懐から取り出しおもむろに胸に突き刺した・・・・
血が噴出す・・・・目の前は深紅・・・・そして、暗く・・・・暗く・・・・・
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