No. 00093
DATE: 1999/02/09 11:22:46
NAME: アルムーン
SUBJECT: ・・・・・・恋?
朝。
目を覚まし、隣の部屋を覗くとエティが気持ち良さそうに眠っている。
カミルが使っていたベッド。カミルが使っていた部屋に、エティがいる。
枕を抱きしめて眠る姿に、微笑がこぼれる。
・・・なんだか、可愛い。
カミルでさえも思わなかった。
音を立てないように扉を閉め、台所に立つ。
トントントントンと、材料を切る。
なんだか変な気分だ。
くすぐったい、と言うのだろうか・・・よく、判らない。
なべの中に材料を入れる。
湯だつまであたしは他の作業をする。
慣れてしまったこの作業。カミルに、ラビスに教えてもらったこと。
(ラビス・・・・・・)
蒼い髪。蒼い瞳。大きな身体。無表情だけど、たまにみせる微笑があたしを嬉しくさせた。
いつのまにか心に灯った、恋の炎。
実る恋だと、思ったことはなかった。
実らなくても、あたしは幸せだったから。
「おはよぉ」
寝ぼけているエティの声が聞こえる。
「おはよ」
彼の顔を見、挨拶を返す。
カミルと暮らしていた時とあまり変わらない生活。
だけど、何故だろう。
エティの声、エティのくるくる変わる表情。
ラビスとはぜんぜん違う。
もちろん、カミルとも。
でも、それを見るたび、彼の事を知るたび、恋している感覚に陥る。
・・・・・・・・・・・・・・・・・恋?