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No. 00100
DATE: 1999/02/14 05:51:11
NAME: 衛視ユングィーナ
SUBJECT: 狙われたシャウエル(イベント孤児院、その後)
衛視ユングィーナの思考(511.2/14)
フォーマ卿の殺害現場に居た、最重要参考人シャウエル。やっと居所を突き止めたのに、逃がしてしまった。
しかし、犯人とばかり思っていたシャウエルを弁護する奴がなんと多いことか。とても人望のある者とは思えなかったが。
きままに亭という酒場は監視場所にせねばなるまい。
しかし、なぜこの事件に関して人員を導入してくれないのだろう。ヨークシャル卿はフォーマ卿の死に激怒していたのに、いつの間にか大人しくなってしまわれた。フォーマ卿のバックにいるヨークシャル卿が動いてくれなければ捜査が進展できるものではないのに。
何かを隠蔽(いんぺい)しようとしているのか? それは証してはならないのか? 一介の衛視が配慮すべき問題ではないか……。
だが、犯人だけは捕まえさせてもらう。実行犯だけは。
シャウエルが犯人でないにせよ、やつがこの事件の説くカギを持っているに違いない。
見つけたら今度こそ捕まえてやる。
あいつが殺人犯であればいいのだがな……。
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孤児院の問題は解決された。
だが、真相を知らぬ一介の衛視たちは殺害されたフォーマ卿の犯人を捕まえねばならなかった。たとえ無実な者を捕らえても、貴族を殺されたまま事件を未解決のままにしていく訳にはいかなかった。
ヨークシャルは真相を知っていたが誰にも話せるものではなく、かといってフォーマの殺人犯を放っておくこともできなかった。真犯人が生きているかは不明だが、孤児院の焼け跡から出てきた大人数を見て、生きている可能性は少ないと判断していた。だが「殺人犯は死んでました」では貴族のプライドが許されなかった。
幸い、矛先を向けられる恰好の者が居た。
それがシャウエルであった。
ヨークシャルは貴族のプライドと、おそらく無実な人を捕まえることの罪悪感の間で悩まされていた。だから、犯人捜査の人員を増やすことができなかった。
衛視ユングは、それを感じ取ってはいたが職務を守ることが彼女にとって最重要課題であった。余計なことはしている余裕は彼女にはない。
一人娘として家名を継がねばならず、女という不利な立場をはね除けるためには実績が必要だった。衛視という職もやっと与えられたものである。騎士にはなれなくとも、それ相応の地位を築き上げなければ家名を絶やしかねない。そんな恐怖が彼女を支配していた。
今やシャウエルは、彼女の中で完全なる獲物として捉えられていた。
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