No. 00116
DATE: 1999/02/25 01:34:03
NAME: ケイド
SUBJECT: 冒険日記(7)
本日は遺跡調査二日目。
第一階層部分を完全に調査し終わり、昼過ぎぐらいから第二階層へ。
第一階層部分はどうやら住居であったことと荒廃が激しく一切のめぼしい物は見つからず。
第二階層への期待が高まる。
第一階層部分にあった朽ちかけた書物(ここ元住人、しかも使用人のもの見られる日記)によると。
ここは政争に敗れた元有力魔術師が流された島でこの遺跡はその住居跡だということが分かった。(昨日発見しかなりの時間使って翻訳した。)
ちなみにさらに上にあっただろう部分はすでに完全に崩れ落ちていた。
ちなみにその専門は死霊魔術(ネクロマンシー)とのこと。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・あの帰っても良いですか?
付与魔術(エンチャント)ではないのでモトを取れないと言うことはないだろが、これだけのリスクにあった報酬が手にはいるかどうかと言われると一抹の不安を覚えてしまう。
第二階層はあまり荒廃した感じはなく。ただ空虚さだけが感じられる・・・そんな雰囲気だ。
とりあえず今の所の隊列はアーディさんとウィントさんが先頭で真ん中に俺とシーナさんを挟み最後尾がガーディンさんとシオンさん。
いつも通りの隊列だ。
とりあえず、全員がいつもと一緒ならこれでも問題ないのだが・・・・
ウィントさん、ここ数日の船旅でげっそりと痩せてしまっている。
島に着く前の小舟の時が一番酷くもうからかうことすら出来なかった。
しかし、島へ上陸したときのウィントさんの第一声がよかった。
「・・・・全然揺れない船だな。」
「ウィントここは島だよ。」
冷静に突っ込むシオンさんがナイスでした。
しばらくすると前方に見るからに「中には何かあります。」って感じの扉がある。
盗賊の技術がある二人が扉を丹念に調べている。
ウィントさんはどうも鍵開けとか罠とかは苦手らしく(そう言うところ意外に面倒がる傾向がある。やはり本職はギャンブラーだからか?)。
もっぱらシーナさんが調べていた。
しばらくしてシーナさんはこう切り出した。
「うーん・・・罠も鍵もかかってないと思うのよね・・・。大体これほどの大きい扉ですもの鍵がかかってるとしたら閂状のもので外から相当なことがない限り開けれないわ。」
「と言うことは魔法で扉が閉じられてるわけですね?」
と、と聞き返すオレ。
「多分そうだと思う。つまり私達ではどうしようもないわ。」
さもお手上げと言わんばかりにシーナさんはこの場から去ろうとした。
プロしての判断としてこれ以上あがいてもどうしようもないと思ったのだろう。
確かに俺達の中には魔術師はいないのでこういうような魔法で施錠された扉にはどうしようないことはわかっている。
「冗談じゃない!!ここまで一体いくらの経費をかけてきてると思ってるんです!?ここままじゃ赤字ですよ!!」
パーティの財政を担当しているガーディンさんが思わず吠えた。
そりゃ、そうだ俺達は道楽で冒険者をやってるわけじゃない。仕事で冒険をやってるのだ。
ガーディンさんの意見ももっともだ。このままじゃなんのためにここまでくんだり来たのかわからない。
「じゃあ、どうやってこの扉開けるって言うのよ?魔法がかかってるのよ。ガーディンがどうにかして開けてくれるって言うわけ!?」
シーナさんも内心かなり悔しかったらしくガーディンさんに食ってかかってきた。
今、思えばこの話をみんなに持っていたとき一番乗り気だったのはシーナさんだった。
「そ、そんなこと言われてもオレにだってどうしようもないでしょう!!」
完璧に頭に血の上っているガーディンさん。このままじゃ一触即発そう思って止めようとした矢先。
「なーに大丈夫だって二人ともそうかっかするなよ。まかせろ、オレに策あり!!」
とはアーディさんの弁。
・・・つうか、あんまり任せられないなあ・・・とか一瞬思ってしまったのははたしてオレだけでしょうか。
ご意見待ってます。
んで、アーディさんの考えた策を一言で表現するなら。
「開かぬなら 壊してしまえ 横の壁」
・・・いや、ご意見もっともなんですけど。いくら何でもシンプルすぎません?
あまりにも直球ストレートだったので思いつきもしませんでした。
とりあえず、今手元にある間に合わせ道具で壊すと言うことで意見はまとまった。
ちなみその道具とは。
ハンマー×2
鉄製の杭×2
オレが持っていたライトメイス×1
アーディさんが学院から借りてきた魔剣×1
・・・・最後ひとつだけは勘弁して貰いませんか?壊れたらエラいことですし・・・・。
「ああ、何心配してんだよ。大丈夫だって魔剣なんてそうそう簡単に壊れるもじゃねえだろ?それにこの中で多分一番使えそうだぜ?」
「そうそう、魔剣の強度は今の文明は作れないからね。」
とは、ウィントさん、シオンさんの弁。
結局、数の暴力、じゃなく多数決により魔剣の使用は採用された。
壊れないことを心の奥底から願う・・・
夜半過ぎまでかけて壁は見事に壊される。
今日はここで作業は終了。明日中の調査に向かうとのことである。
で、魔剣はどうなったかって?
ええ、壊れはしませんでしたよ。さすが古代王国の遺産です。感心しました。
ただね・・・やっぱかいりものなんですから大事に使いましょうよ。
傷つけただけも大事ですから。
みんなは「もし壊れたのしてもシシリーのことだし。そんなに怒りはしない。」って言ってますけど。
カール兄さんより、シシリー兄さんの方が怒ると圧倒的に怖いんですよ。
だから戦いに使う以外は丁寧に扱って欲しいです。オレからの最大の頼みです。
オレはシシリー兄さんだけは敵に回したくないです。お願いします。
とうわけでここで書くのをやめておく開いた朝から頑張ろう。
明日も魔剣が壊れませんように・・・
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