No. 00117
DATE: 1999/02/25 11:04:05
NAME: カミル
SUBJECT: 冒険談、過去編1<何故か中編>
「ぶつかるっ!」
目の前に壁が迫ってきている。
何度もその状態が続いたが、今度は曲がる気配を見せない。
俺は慌てて金貨を離す。
どおと、みんなが浮力を失い、転げ落ちる。
「あっ、つつつ・・・」
俺は頭を押さえる。
「・・・・行き止まりみたいやな・・・」
カルの声が聞こえる。
みんなが、周りを見渡す。
木箱ばかりが置いてある。道は・・・来た道しか、無いと思う。
「・・・ちゅうことはここにお宝があるっちゅーことか?」
嬉しそうにカルがその辺にある木箱の中を見る。
「どれどれっ」
・・・キーサさんまで。
この二人、似たもの同士かもしれない・・・。
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「・・・・・?」
みんなが疲れ果てた頃、俺はあるものを木箱の中から見つけた。
「小箱・・・?」
「どれ」
先ほどまでぐったりしていたカルが、俺の手から小箱を奪う。
・・・こういう時だけ素早いのな、お前。
「・・・・・・なんや、これ」
小箱の中からなにかを取り出す。
「まぁ、それは石鹸ではありませんこと!?」
嬉しそうにクレアさんが言う。
「古くて、かさかさになってますけど、これは確かに石鹸ですわっ!」
・・・そんな、目を輝かせるほどのものなのか、石鹸って。
「ここにいた人は綺麗好きだったのですねぇ・・・」
恍惚とすな、恍惚と。
「これ以外になんか無いのか〜?」
キーサさんが問う。
・・・そんなこと俺に聞かれても。
「多分、無いやろな・・・帰ろか」
・・・・・・ちょっと待て。何か忘れているような気がする。
「・・・あ」
金貨だ。
金貨は確かに、まだ進もうとしていた。
俺の思いが確かなら、まだ道が有るはずだ。
「まだ道があるんじゃないか?」
俺は呟き、壁を確かめてみる。
・・・本来こういう仕事はカルがする事なんだけど・・・
「・・・・・? おい、カル。ここ変だぞ」
振り向く。
その時になって気がつく。
「・・・・・・逃げやがった・・・」
残っているのはクレアさんだけだった。
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なんか知らんが、まだ続く。