No. 00142
DATE: 1999/03/26 12:41:07
NAME: ラザラス
SUBJECT: 家督争い(3)−イベント−
登場PC:ファウスト
他NPC
【食料と兵員】
ラドモス卿が立つことで、ずいぶんと事が進めやすくなった。彼はファウストのことを信頼し、指示を素直に聞いてくれた。
領民からの摂取を減らすことは兵糧が心許なくなることであるが、それは別の所から入れよう。そうファリス神殿とか……。
領地内にあるファリス神殿に赴き、協力を申し出てみるが、争い事に神殿が手を貸すのをためらっている。状況が状況だけに、手を貸したところで勝てる見込みも少ない。これではファリスの正義を知らしめることはできないのだ。動くことで現状より悪くなるのであれば、小事の悪に目を瞑っても別の機会を見つけた方がよい。口にこそ出さなかったが、それがこの神殿の司祭の意見と見られた。
ため息をついてファウストは神殿を後にする。なかなか思うようにはいかない。
兵員増強の為、領地内にあるドワーフの村へ協力を申し出たが、聞き入れてもらえなかった。人の争いに加わる理由がない。しかも血縁の愚かな争いに。と、呆れられてしまったくらいである。昔からブドウ畑を管理し、上質なワイン作りに精を出している村で、人との関係も浅くはないが、特に深いわけでもなかった。交流はあれど、それだけの間柄であった。
兄側の領地の一角にはエルフの住む森があるが、彼らが協力することなど考えられない。森に足を踏み入れることすら許してはくれないだろう。
残りの手段として挙がったのが、血縁のある隣のリーン領に増援を願い出ることであった。血縁とはいえ、貸しを作ることがどのような危険を招くか判らないが、兄に治められるよりは、とラドモス卿が決めたことである。
しかし、返答は多額の請求を飲めばということであった。財政的に苦しい状況であるため、それはとても受け入れられるものではない。おそらくは兄側の圧力がかかって動けないでいるのだろう。行動が遅かったのだ。
それと同時に、リーン領にある鉱山でモンスター騒動が起きている噂も聴こえてきた。
「金もそうだが、自分の領地でトラブルが発生しているのに、隣のもめ事に大事な兵を貸してはくれぬさ」
もっともな意見が飛び交う。それでは状況は改善できない。何か手を打たなければ、この状況を利用することはできないのか……。
よく考えるんだ。状況を整理するんだ。
記憶の糸をたぐり寄せ、何か有効な手だてはないかと考える。
つづく