No. 00153
DATE: 1999/04/20 01:41:38
NAME: カイ
SUBJECT: 旅立ちの日
私の名前はカイ。エレミアの小さな村に住んでいた。
チェンジリングのハーフエルフだったこともあるだろうけど、物心付いた時には私の家は村の中から離れた場所に住まされていた。
何かに付けて村人にいじめられる日が続いていた。多分、私の性格はこのころの体験から来ているんだと思う。
14歳ころかな?いつもの、村が一望できる丘の上に座っていた時、急に風の声が聞こえるようになったのは・・・。
それから、私は冒険者になることを決めた。これ以上両親に迷惑をかけたくなかったから・・・。
両親は、私が生まれたころからノイローゼぎみだったのだと思う。
冒険の旅に出ようとしたその前日、母さんが私の部屋でいきなり襲い掛かってきたんだ。
「あなたなんか生まれてこなければよかったのに」そういって・・・。
それからどうなったのかはよく覚えていない。覚えているのは、いつもの、村が一望できる丘の上で私の家が焼けるのを見ていたこと・・・そして、私の側にサラマンダーが居たこと・・・。
今から思えばたぶん無我夢中で<火弾>を打ってしまったんだろうと思う。
私の旅の道具は全て揃っていた。このまま、ここにいても村人に殺されるだけだろうと思って、そのまま私は旅に出た。
目的地は、オラン。あの街なら、私を必要としてくれる人や、私の心の傷を癒してくれる人と出会えるかもしれない。
そう思って。