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No. 00173
DATE: 1999/05/11 20:18:22
NAME: ギナン
SUBJECT: ファラリスを嫌う理由
ギナンはオランとアノスの国境付近の街に住む青年だった。
ファリスの聖戦士であった父にファリスの教えと戦士としての技術を学び、父が死んだ後も、いずれはアノスへ向かい、聖戦士となるため日夜努力していた。
ある日、街に頻繁にゴブリン達が訪れるようになり、家畜が襲われ出す。
ギナンは街の他の血気盛んな若者と共にファリスの教えに基づいて、ゴブリン達を倒そうと彼らが棲みついた洞窟へ行き、数匹のゴブリンを倒した。
意気揚々と帰って来たギナンは彼の恋人が誘拐されたと聞く。
しかも、誘拐された前後の目撃情報などから、ファラリスの神官が誘拐して行ったらしいと言うことが分かる。
彼はファラリス神官と聞いて後込みした他の若者を蔑みながら、単身で恋人の救出に行く。
そして先ほどとは別の洞窟内部でギナンはファラリス神官を見つける。
しかし、ファラリス神官は既に儀式(※1)を終わらせた後だった。
ギナンの恋人と共に数人の若い女性が生気を失って倒れている上で高らかに笑いながらそこにある山となった銀貨を数え続ける暗黒司祭。
「我が望みは形ある富の上で死ぬこと。完全な死の自由の中で富を抱えるのは楽しいとは思わぬか?」
暗黒司祭の言葉に憤怒の形相を浮かべて手にした槍で貫こうとするギナン。
しかし、暗黒司祭はギナンの槍が届くよりも一瞬早く呪文を唱えていた。
ギナンへの死の呪い(※2)が発動するのに一瞬遅れてギナンの槍が暗黒司祭の胸に突き刺さった。
そしてその時にはギナンの体には死の呪いによる効果が顕れていた。
ギナンの体表は腐食したようにぐしゃぐしゃになっていた。
自らの体の変化にショックを受け、発狂しながらも、洞窟から出てきた彼を待っていたのはかつての友の軽蔑、差別の視線だった。
神殿は、金がなければ治す気などなく、金があったとしても邪険に扱う。
儀式で出来た金は、洞窟から出てきて、ショックなどで寝込んでいる間に誰かに盗られたため、金はない。
街からもその姿のために追い出されることになる。
そうして、泥水をすすりながら、何とか生きていった彼の心には、自分をこんな姿にしたファラリス神官、ひいてはファラリス信者への憎悪が残ることになる。
しかし、ファリスへの信仰は薄れ、ただそのその教えだけが彼の信念、執念として残ったのだった。
※1…ファラリス特殊暗黒魔法の一つ、イモレイト。生け贄を捧げることによって自分の願いを叶えてもらう。5レベル。
※2…暗黒魔法の一つ、ラストワード。自分の命を代償としたカース。達成値+4。5レベル。
※1、2共にロードス島ワールドガイド参照。
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