No. 00178
DATE: 1999/05/17 08:51:22
NAME: コーネリア
SUBJECT: 誘拐未遂事件、勃発!<第二章>
「コーネリアを囮にする、だってェ!?」
マーファ神殿内に、モニークの声が響く。
「コーネリアさんは狙われる理由が判らないとおっしゃっているのですもの。これしか出来そうにないですわ」
エリアが、さも困ったと言うように進言する。
「んな、危ない事、コーネリアにさせられないよ!!」
「・・じゃあ、あなたなら他の案が出せるのね?」
エリアに食って掛かったモニークに、エマールが追い討ちをかける。
これによりモニークは沈黙。
モニークの大声で耳をふさいでいたコーネリアは事情が判らないままにこにこしていた。
「ここを歩けばいいんですね」
コーネリアが3人に訊く。モニークは渋面に、エマールとエリアノーアは明るく頷く。
エマールとエリアの明るい表情にコーネリアは微笑み、一人で道を歩いていく。
「ううう〜」
涙目でモニークがエマールとエリアを睨みつける。
エマールとエリアはその視線をさりげなくかわし、コーネリアからは見えない柱の影に隠れる。
「モニークさん、そちらにいつまでも立っていては、コーネリアさんを狙っているお方に見つかってしまいますわよ」
しばらく人気の無い道を、コーネリアは一人歩いていた。
狙ってそういう道を選んでいるわけでなく、単に迷っていただけなのだが。
と、突然、背後から異様な気配を、コーネリアは感じ取った。
しかし彼女がどこかに隠れていると思われるモニークたちに助けを呼ぶ前に、口を押さえられ、気絶させられてしまった。
モニークたちはそれを少し離れた場所で見ているしか出来なかった。
賊が、モニークたちにも接近していたから。
「コーネリア!!」
遠い意識の中で、コーネリアはモニークの叫び声を聞いた。