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No. 00051
DATE: 1999/06/07 02:46:23
NAME: レドウィック・アウグスト
SUBJECT: 過去との再会
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ええと、悪人です(笑)。
英雄(冒険者)LVに善悪はない!、が持論なんで(笑)。
たまにはこういう冒険してる冒険者がいても良いかな、と。
レド以外は殆ど(全く)チャット出てないので。
レウレリア、ゲフト、リーフ。PL募集中です(笑)。
我とおもわんかたは麒麟まで連絡ください、へへ。
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高さは、人間1人半ほどの白い石壁に囲まれた緑の庭。
黒い鉄格子のような門を開け,なかへと入る。
朝の光が眩しく差し込む庭に1人,男が立っていた。
「リーフ・・・」
背は180を越している。体格はいいがやや痩せ気味。
髪は普段黒に見えるのだが,日の光に透けて見えるのは,青。
おそらく深い青なのだろう。普段は黒く見えるほどに。
・・・確か,瞳の色もそうだったはずだ。
整った顔立ち,目にかかる程の前髪。
4年ぶりに会った友は,玄関の石柱に寄りかかっており。
その表情は窺い知れなかったが,少し髪が伸びた事だけはわかった。
「よぉ、レッディ,ひたしぶりだな・・・。」
皮肉な笑顔を浮かべるリーフ。
「ああ、4年ぶりだな,ミードの遺跡以来になるな。」
「そう、おめーがキュエリアを見殺しにして以来って事だ,な?。」
「・・・そうだ。」
「まあ、女が1人死んだぐらいでやめちまうとはな。」
リーフが柱から背を離す・・・。
後手を取ったらいくら私でも勝てるかどうか解らない相手だ。
そっと左手の裾の中にある魔晶石を握りしめる。
1対1では致命的になる眠りの雲の呪文を全力で掛ける。
・・・それが最上の選択だった。
「リーフ、今更なんのようだ?。」
私の覚悟に気付いたのか,足を止めるリーフ。
「ま、そんなに警戒すんなよ。」
と笑いを浮かべる。
「ミード湖の遺跡で下位種の竜とやったときと同じ顔してんぜ?。」
あの時。
そう、私の最後の冒険の時。
財宝を守るレッサードラゴンを倒すまでは順調だった。
・・・そう、彼女が,キュエリアが魔術師の残した遺産に,
意識を奪われるまでは。
「結局,トドメ刺したのあんただモンなぁ。な、レッディ。」
「・・・なにがいいたい,リーフ。」
「いやあ、俺よお。あれからついて無くてさ、
それまではお前とキュイが後始末してくれてたじゃん?。
人殺してもよ。」
暗黒神の信者でもあるこの男は,当時から気にくわないと言うだけで
多くの人間を殺していた・・・。
「ゲフトにジャルド,レウレリアはどこいったかわかんねぇしよぉ,
取りあえず金もねぇから,たかりに来た。」
金、か。
まだましだな。
「いくらだ?」
「2.3万かしてくれよ,導師やってんだろ?。」
軽く言ってくれる,2.3万ガメル,ね。
「残念ながらギルドは首になったんでね・・・,
今は,そう、薬屋みたいなものだ。」
首になったと聞いて軽く口笛を鳴らすリーフ。
「どうしたんだ?,首になるなんて。昔やってたことがバレでもしたか?。」
にやにやと薄笑いを浮かべながら。
「って、ばれたら首じゃ済まないか・・・。」
不本意ながらその通りだと思う私は,この懐かしい悪友が訪ねてきたのは
どうやら金のためらしいと納得し,苦笑した。
「で、本当に金を借りに来たのか?,しらん仲でもない。
2万までならならかさんでもないぞ?。」
「あ?、本当はお前が幸せそうだったらぶっ壊してやろうと思ってきたんだけどな。
・・・へへ、じょうだんさ、じつはグロザムルに良い遺跡があるって話が合ってよ。」
「あんな所にか?」
半分は本気だな,と感じながらリッティがいないことを天に感謝した。
グロザムル山脈か・・・,驚異の山脈と呼ばれるこの山々には多くの遺跡が発見されている。
魔術師にとって危険な実験を行うにも、失敗したときに封じ込めるためにも,
この天然の要害は役に立ったらしくよく遺跡の見付かるところだ。
そのため、発見済みのものが多い。
昔の仲間であるダークエルフのレウレリアが生まれた集落があるところでもある。
「ああ、”神を目指せし”フォルディノっていう末期の創造魔術師の遺跡で、
もともとは付与魔術師らしいから結構行けると思うんだけどよぉ」
ちょっと遠慮がちに言うところをみると,流石に1人で行く気にはならなかったようだ。
「魔獣にゴーレム,・・・最悪だな。創造と付与,か。考えとくよ。」
「へへ、たのむぜ。上手く行けば5、6年は遊んで暮らせるからな。」
「・・・お前は金を使いすぎだ,リーフ。」
ふん、好きに使って何が悪い。と言いたげな顔をするリーフ。
「じゃあ、みんなに連絡をつけておくとするか。」
「頼んだぜ?,レッディ。またな!」
リーフが帰るとようやく緊張が解ける・・・。
扉に合言葉を唱え、家にはいると。
私は戸棚からクォン産のワインを取り出すと封を切る。
ワイングラスに揺れる赤い液体を眺めながら,
今回の事をどうするか考えていた。
・・・少なくともキュエリアの変わりを埋めなくては無理だな。
そう結論づけた私は代わりの人間を頭の中で模索していた。
「それに昔の面子も揃うとはかぎらんしな・・・。」
つぶやきながら思い出す。
あの時は大斧使いのゲフト。ダークエルフのレウレリア,配下のオーガー。
暗黒司祭ジャルドにマンティコアのアスダム。盗賊で暗黒神官のリーフ。
そして私。当時使っていたミノタウロスのゾンビが2体。
随分戦力は高かったと思う,常識に欠けてはいたが。
あれだけのものは,もう揃うまい。
今回は苦しいな・・・。
それまでに馬鹿弟子を迎えに行って留守番をさせないとな。
と考え、取りあえず昼まで寝ることにした。
新王国歴511年6の月,3の日,早朝。
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