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No. 00051
DATE: 1999/08/10 23:08:48
NAME: レイラ
SUBJECT: Recollection 〜 回想
ねえ、マリン姉さんと別れたとき、私、神官見習いだったでしょ?一緒に行けなくてちょっと残念だなぁって思ってたの。
それから、いつの間にかマリン姉さんたちの手紙が来なくなって……もしかして街の中にいるのかなって思って、神殿をよく抜け出したりしたの。
酒場とか市場で探してみたりね。3年も連絡がなかったのよ?
「……」
今じゃ、神殿追い出されちゃったから、市場のパン屋さんで居候してるんだけどね。
私、私ね、マリン姉さんみたいに歌が上手になりたかった……だから、詩人になったの。
まだとっても下手なんだけどね。いっぱい歌って、笑って、泣いて、恥をかいたり、恋をしたり……あら、何言ってるのかしら、私ったら……
「……」
この前の麻薬騒動の時、風の噂でマリン姉さんのコト聞いてね、あの戦いに参加したの。もしかしたら、って思ってね。
でも、ホントはとっても怖かったの。船の中で姉さんを見かけたとき、びっくりしちゃった。
あのとき、最初はどうしていいのか分からなかったの。でも、会って何か話さなきゃ……でも、あのときは一言もはなせなかったね。
マリン姉さん……姉さんはどうして海賊に荷担したりしたの?
「……」
じゃあね……ジャルドって男の人、知ってる?
「……やめて……もう聞かないで……」
やっぱりそうなんだね……ジャルドって人は姉さんたちの首領なんだ……親代わりだって言ってたけど……
その人に”他言無用”って言われてるんだけど、私ね、思い切って衛視さんたちにもお話ししたの。笑ってばかりで全然聞いてくれなかったけどね。
それに、私、今でもマリン姉さんに戻ってきてほしいと思っているの……ホントよ。
「……」
あのねっ。私ね、剣を習うことにしたの。
ジャルドって男の人から姉さんを守りたい……
「うるさいっ!アタイはもうアンタの姉さんなんかじゃないっ!アタイは……アタイは……」
「やかましいぞ海賊野郎!まだ鞭で打たれたいのか?」
「……くっくくく、男3人がかりで女1人から一つも情報を聞き出せねぇアマチャンボウヤどもがナニをいきがってんのやら」
「なにおっ!!」
「よせよ。ほっとけって。ソイツはどうせ縛り首になるんだ。気がたってんだよ」
「そ、そうだったな。ははは!オマエみたいな可愛げのねぇ女海賊はみんなの見てる前で首をきゅっ…てな!ははは、まあ、せいぜいイイ夢でも見てるんだなっ!」
「……縛り…首……か……親方ぁ……」
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