 |
No. 00064
DATE: 1999/08/19 03:31:57
NAME: ミッキー&マリー(一般人)
SUBJECT: Kidnapping 〜 誘拐
ヴェイラ ミルディンの助手
ミッキー 依頼を受けてヴェイラを見張っている男性
マリー ミッキーの恋人
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「子供、か?」
「そのようね」
「しかし、子供1人見張ってるだけで大金が貰えるんだ。俺達もやっと運が回ってきたな」
「本当にそうなのかしら……何か裏があるようで、私、怖い…」
「気にするなよ。俺達は雇われてるだけなんだからさ。これが終わったら、アノス辺りで一緒に料理店でも開こうぜ」
「ええ、頼りにしてるわ。ミッキー」
(ここ、いったい……どこ?それに大金って?また危ない依頼かな?)
「私、怖いの……それに、得体の知れないあの魔術師や大男たち……それに、もし、予定より早くあいつらの言ってた「連中」が来たら、私たち、どうなるの?」
「さあな」
「……」
「どう転んでも今の俺達には明日はないのさ。前金は借金で全部きえちまったんだからな……もう後には引けないんだ」
「そうね……」
「こんな事はもうこれっきり。大金を手にしたら俺達はまだやっていけるさ!」
(えっと……?火事の調査をしてて…それから?早く帰らなくちゃ。ミル、怒ってるかなぁ?)
「…う、え?あなた達は誰?ここは一体ドコなの?」
ヴェイラはきょろきょろと辺りを見回す。薄暗くて天井の高い建物の中。たくさんの木製の箱と樽……倉庫?でも、狭い?
「おお!?目が覚めたか坊や」
「ここは…どこなんですか?」
「場所はいえないけど、倉庫のなかよ」
「え?どういうことです?」
「坊やは変な魔術師に連れてこられたんだ。まあ、魔術師ってのは俺達から見りゃ変なヤツらだからなぁ……早い話、坊やは誘拐されてここに来たって事だ。で、俺達は期限が来るまで坊やの見張る事になってる」
「そんな……」
ヴェイラはよろよろと壁にもたれ、そのまますとんと座り込んだ。
(あのあと、赤い影に追いかけられて、裏路地をジグザグに逃げていたらいきなり横から…それから、誰か来て……気絶しちゃったんだっけ?)
「この部屋の中でおとなしくしてれば何もしないわ。期限が来るまでのんびり過ごしましょ。ねぇミッキー」
マリーはミッキーの首に抱きつき、2、3度キスをする。
「お、おいおい。なにも子供の前で……(^^;;」
「いいじゃない。どうせ暇なんだしぃ…この子を見張ってるだけなんだからさぁ」
マリーはちらっとヴェイラを見ると、にこっと微笑んですたすたと部屋を出ていった。
「あ、おい、待てよマリー。まあ、そんなわけだ。悪く思わないでくれよ、坊や」
ミッキーもマリーを追うように部屋を出ようとするが、思い出したように振り返る。
「それにしても、あいつら、わざわざ着替えさせていったが……坊や、何か隠し持ってたのか?」
「え?何も持ってないよ」
「そうか、じゃあ何だったんだろう?……まあ、いいか。そうそう、逃げようなんて考えないでくれよ。俺達も坊やも真っ黒焦げのケシズミにされちゃうからな…っと、マリー、ちょっと待ってくれ〜」
力無く苦笑いしていそいそと部屋を出て行くミッキー。ドアが閉められ、がちゃりと鍵を掛ける音が聞こえた。
「ちょ、ちょっとまって。ボクが一体何したって言うの?…いっちゃった……」
(もしかしたら、あの火事ってどこかの組織がやったことなのかな?だとしたらとんでもない事になっちゃった…ミル、怒ってるだろうな〜)
「二人には悪いけど、何とか逃げさせてもらうよ!」
 |