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No. 00101
DATE: 1999/09/13 23:41:11
NAME: リュイン&ルーファ
SUBJECT: 選択・・・そして決意
リュイン 少年に見えるシーフの女の子
ルーファ リュインを憎み、復讐をたくらんでいる魔術師
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今日は月のない真っ暗な夜だ
暗い路地を一人の少年が荷物を持ち足早に歩いていた
「リュイン、待っていましたよ」
リュインは警戒しあたりを見まわす
すると、路地から真っ黒なローブを着た青年が現われた
「やはり、君か。旅に出たと言われて喜んだ僕がバカだったよ。どうせ宿を変え顔を出さなかっただけだろ」
「ええ、そのとおりですよ」
「で、今日はなんのようだい」
リュインはルーファを睨みつけ聞く
「もちろん、仲間を助けることもできなかった人の顔を見に来たのですよ」
「なんで・・・君が・・・」
「あなたの行動はだいたい観察させていただいていますよ・・・もちろん、この子でね」
そう言うとルーファの肩にフクロウがとまった
「・・・ルイーズ・・・・」
「ええ、そうです。あの時もこの子の目であなたの行動を見させていただきました。側にいたのになぜ助けなかったのですかねー」
その一言にリュインは表情をゆがませ
「それは・・・・」
「彼も可哀相に。見捨てられたのですからね」
「・・・・それは違う」
ルーファは楽しそうに
「どこが違うと言うのですか?」
「・・・・・」
リュインはなにも言えなかった。見捨てたも同然と自分でも思っているから
「まあ、それはよいとしましょう。僕が今日あなたの前に現われたのは、あなたに彼を助けるための情報をあげるためです」
「どーゆう風の吹きまわしだい?」
リュインは思いっきり皮肉を込めて言った
「もちろんタダではありませんよ。ある条件と交換です」
「で、その条件ってなんだい?」
ルーファは実に楽しそうに微笑むと
「簡単なことです。彼を助け出したあと彼と親しくしてはいけません。いえ彼だけではありませんよ。あなたと親しい人全員と親しくしてはなりません
もちろん、べつの街に行くのならばそこで親しい人を作ってはなりません。もし少しでも親しくすれば,その人に危険が及びますからね」
リュインは黙るしかなかった。だけど選択の余地がないことは確かだ
リックを助けるために少しでも情報が欲しいところだったからだ
リュインは吐き出すように
「わかった・・・その条件を飲むよ」
「あなたは素直ですね、ですから好きですよ。それではまず彼があんな行動にでた訳ですね」
リュインはルーファをじっと見つめ
「やっぱりなにかあったんだ」
「はっきりしたことはわかりませんが、ある手紙を見た時の彼、いえ彼女の様子はおかしかったですよ」
「・・・それだけかい」
「あとはですね、その手紙を渡した主はお仲間と言うことです。それもえらく腕がたつと見えました。それとそのお方はある少女と内通してたみたいですよ」
「少女?」
「誰かは教えません。おもしろくありませんから。じっくり考えてくださいね」
「・・・わかったよ」
「それでは、がんばってくださいね。成功しようがしまいが、あなたは苦しみの内でのたまわるのですから。それと、あなたは僕の監視があると言うことをお忘れなく」
ルーファはそれだけ言うと暗闇に消えて行った
リュインはそのばで立ち尽くすしかできなかった
しばらく立ち尽くした後、急いでもと来た道を戻りだした
キーワードは手紙だと思ったから・・・。
そして、色々考える
荷物を片付ける時、手紙は見なかったのだ。
たぶんどこかに捨てられたのであろう・・・どこかはわからない。だけど、まずは部屋からだ
だけどその小さな情報とはいえ、わらをもつかむ思いだった
たとえ自分がどうなっても助け出す
その思いはあまりにも純粋であり、純粋であるからこそ、狂気にも似ていたのかもしれない
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