No. 00106
DATE: 1999/09/22 00:18:11
NAME: チャ=ザ信者達
SUBJECT: 盗賊退治(序章)
ここは自由人の街道。
東の大国オランから西方の雄のロマール。最後には西方諸国を抜け大陸の西の果てまで抜けた大陸最長の街道である。そのオランとエレミアの間辺りで野営をする一団がいる。
5人組の旅人らしきもの達が焚き火を取り囲み、食事をとったり酒を飲んだりと思い思いの行動をしている。−もちろん見張りを置くことは忘れてはいないが−。
よく見ると全員首から下げられているのはチャザの聖印であり、5人のうち2人は神官衣を羽織っている。それに一際目立つ大きな荷物にも大きくチャザの聖印が描かれていた。
「もうすぐ、オランですね・・・。」
一団の中で一番若いと思われる。栗色の髪をした青年がそうしみじみと言った。
「あ?坊主にはさすがに神殿が恋しくなったか?」
最年長と思われる30過ぎた頃の男が冷やかし口調でそう言った。それに会わせ青年の顔が恥辱で真っ赤になり、それにつられ一同が笑いが生じた。
「ばーか。冗談だよ。そんなに本気で怒るなよ。俺だってもうすぐオランってので嬉しいのは一緒だけどよ。」
そう言うと男はバトルアックスを担ぎ直し、周囲を再度見渡した。
「・・・それにしても盗賊が出ると聞いてこの人数での任務だがそんな気配はまったくないですね。」
神官衣をまとった黒髪の女性がそう言った。
エレミア−オラン名の間で盗賊が出る。
そう言う噂が出始めたのは一月ほど前だった。
当初は旅慣れぬ旅人や行商人などに数人被害出ている程度である。
とは言ったもののオラン近郊の村々の寄付金や関係者以外には利用価値のない書類とはいえ盗賊が出る街道を輸送するのに護衛もつけずにいるというのは本神殿の体裁上まずいものがある。
結果として、荷物割りには大層な護衛がついたわけである。このまま何も起こらず無事にオランまでたどり着ける護衛の人に就いた者達は誰しもがそう思っていただろう。
………しかし悲劇は起きた。
この直後、彼等は謎の集団によって襲われ一人の神官を除いた者全てが斬殺され、積み荷を奪われると言う事態に至った。
事態を重く見たチャザ神殿は彼等盗賊一味に5000ガメルの賞金をかけ、冒険者達に退治をさせようと考える一方。
神殿内で討伐隊編成し近々遠征に出すものと見られている。