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No. 00110
DATE: 1999/09/24 03:10:48
NAME: リュイン
SUBJECT: 不足分
リュイン 贋作騒ぎを調べるシーフ
ヤンター シュナを追い掛け逆に捕まったファリスの神官
エンドロ 贋作を作っている絵描き
カイル エンドロの息子(本文中に彼は出てきません)
シュナ カイルの幼馴染であり悪友。エンドロに贋作を描かしている張本人
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ある指輪を1000ガメルでウィルに引き取ってもらった
さすがに600ガメルくらいしかしないのに・・・・
だから僕は一つの仕事を受けさせられた・・・・・贋作の密売人と贋作士を探すこと
リュインは今ある男をつけていた
贋作の売り手と目をつけたシュナである
先ほどリュインはシュナが良く訪れるという酒場でシュナと一緒に飲んでいたのだ
まさか相手から話しかけられるとは思っていなかったが、それは運の内
飲んでたと言ってもリュインは一口も酒を飲んでいない
なんだかんだ言って酒は断りシュナだけを飲ませていたのだ
そこで疑いが核心に変わって来た
そして二人は別れたが、その後リュインはシュナをつけているのだ
同じシーフ、実力も同じ位と見た
普段だったら簡単に巻かれていたかもしれないが、酒を飲んでいるせいで判断力が鈍っているみたいでかなり楽につける事ができた
シュナが入っていったのはオランの郊外にある廃屋らしき所である
リュインはそこにこっそり近づくと手ごろな窓から中を覗いた
薄暗いなりにも明かりがついている部屋
そこにはシュナと初老の男がいた
初老の男は足かせをつけられ、絵を描いていた・・・いや絵を写していた
「よージジィー、ちゃんと描いてるな。てめーがちゃんとやれば幾らでも金が入るんだよ。それにてめーだって金がほしかったんだろ?」
「お願いだ。もうやめさせてくれ」
「ああ?なに言ってんだー。てめーが先に贋作を作ったんだろうが。それともこの事を息子に知られたいのかー。え、エンドロさんよー」
「お願いだ。それだけはやめてくれ。息子には知られたくないんだ。それにあれは出来心だったんじゃ」
「わかってるよ。ちゃんとやれば言わないからな」
一通り二人の会話を聞いた後リュインはその家の回りをぐるっと1周した
どこかこっそりと入れるとこがないかを探すために
だけど、扉は正面にしかなかった
窓は先ほど覗いていたのと裏手に一つあったが、裏手の方は塞がれていて中の様子はわからない
正面から行って戦うのははっきり言ってバカだ
リュインはしばらく考えた後さっきの窓のとこに行きもう一度中をこっそりと覗いた
まだシュナとエンドロの話は続いている
リュインはよしと思うとこっそりと古代語魔法を唱えだした
リュインははっきりと言って魔法を使うのが嫌いだった。だから発動体も持っていなかったが、今はリックからかりている発動体の指輪がある
そして魔法が完成し、眠りの雲が室内を満たした
リュインは二人が完璧に寝たのを見てからこっそりと扉から中に入った
あたりを見まわすがなにも縛るものはない
そこで奥にある扉を開けもう一つの部屋に行った
さすがに窓を塞がれているので真っ暗である
リュインは隠し持っていたダガーを取り出すとそこにライトをかけてもう一度中を覗いた
そうするとわかったが、誰かがロープに縛られ転がっている
「・・・誰?」
小声で話しかける。だけどその男は振りむきもせず
「誰だ? あの男ではないようだな」
まったくの無視である
「あんた、捕まったってやつ?」
「あの男の仲間ではないのか?」
また質問は無視をされたがリュインは少しだけ肩をすくめ
「仲間?心外。あたしはあいつを捕まえにきた者よ」
それだけ言うと男に近づきロープを解く
「これでいいよ。ちょうどいいからこのロープを使わせてもらうよ」
開放された男は身を起こしリュインを見ると
「・・・おまえは確か・・・」
リュインは目を丸くし
「あんただったの?・・・・」
「・・・感謝します。ですが、私はあの男を捕らえなければなりません」
リュインはその男・ヤンターをじっと見てから
「・・・・あ、人を押さえることくらい簡単だよな?」
「どういうことですかな?」
リュインは隣の部屋をさすと
「あいつは今あっちで寝てるよ。このロープで縛り上げるんだけど、それを手伝って欲しい」
ヤンターは驚き
「あなたもあの男を捕らえに来たのですか?」
「まーね。これも仕事だからな。それよりさっさと捕まえたいんだけど、いいかな?」
「そうですな。さっそくあの男を捕らえるとしましょう」
そうして二人はもう一つの部屋に行く
リュインは床に転がっているシュナを指し
「こいつだよ。さっさとやろ」
ヤンターは頷くと黙々と作業をしだした
リュインも少しだけそれを手伝い
「・・・これで大丈夫だな。後はあたしがさるとこに連れてくよ」
ヤンターは立ちあがりリュインを見ると
「この者どもは何をしたのですかな?」
リュインは少しため息をついてから、エンドロの前にある絵を指し
「そこの絵を見てわかんない?贋作だよ」
「・・・なるほど。それで逃げていたのですな。私も手伝いましょう」
リュインは首を振ってから苦笑を浮かべ
「いい、これはあたしの仕事。・・・・あたしがやらないとお金がはいんないからね」
「確かにそうですな。では、後はお任せします。私は神殿に戻ります。・・・後日、あの店にお礼に伺いましょう」
「わかった。神官なんだったら、こんなきなくさい世界のことは知らない方がいいけどな。じゃーな」
「理由はどうあれ、あなた方は罪人を捕らえる側になることもあるのですな。・・・助けていただいた礼は必ずします。では、失礼する。」
ヤンターが立ち去った後リュインはぼそりと「時と場合によるよ・・・」とつぶやいた
それからリュインはエンドロを起こし贋作をやっていた訳を聞いた
もちろんその間に足枷を取ってやった
それは”妻が病気になり治すには大金が必要だった。そこで贋作を作り売ろうと考えたが作ったところで恐ろしくなり売るのはやめた
だけど、それを息子の悪友であるシュナがかってに売りさばき、それからというものそれをネタにゆすられ渋々贋作を作っていた”ということだ
「なーそれをもう一度ギルドで言ってくれないか?」
「ああいいぞ」
そしてリュインはシュナとエンドロを連れてギルドに行き、二人をギルドの幹部に引き渡す
そこでわかったことはシュナが昔ギルドの構成員だったということだった
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