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No. 00120
DATE: 1999/09/27 01:04:15
NAME: リティリア
SUBJECT: 見掛けた惨劇後(盗賊退治外伝)
今はオランに向かう商隊の護衛をしている
アルフィデア様が死んでから一度ロマールに行った
特に深い意味なんてない
いや、もしかしたら生まれて始めてコンビを組んだディオンの生まれ故郷を見たかっただけかもしれない
行きは一人だけ、適当に商隊の護衛とかして行った
帰りはなぜかロマールでたった一回だけ組んだパーティメンバーの一人・盗賊のエリシアが一緒だった
なぜか気にいられているらしい
しかし、そんな事は私には関係なかった
エレミアに戻って来てからアルフィデア様の墓参りをする
そのために戻ってきた。そして2度と来るつもりがない報告
「もう2度とここには来ません。寂しい思いをさせてすいません。ですが私の思いはいつまででもあなたの物ですよ、アルフィデア様」
そうして、私はオランに行くことにした
もちろん今回も商隊の護衛
護衛の数は私を含めて9人
もちろんその中にはエリシアもいる・・・・どこまでついて来る気なのやら
職業も腕もみんなばらばら
だけど、無事にオランに着ければそれでよかった
旅は順調だった・・・順調だと思っていた
あれはもうすぐオランという所だった
街道の脇に何かが見えた
・・・・それは見なくていいもの、見たくないもの・・・・
別の商隊の残骸だった
商隊と呼ぶには少なすぎるけれど、一応そう呼ばれているみたいだ
荷物は奪われ、人は死んでいる
・・・・あきらかにわかる。全滅だ
それを目撃したとき、泣き叫ぶ人、脅える人、色々いたけど、私は冷淡にそれを見ていた
不意に護衛の一人が
「盗賊がでるって噂はホントだったんだな。なんなら俺達で片付けちまおうぜ」
血の気が多い何人かはそれに賛成した
だけど、私は真っ平ごめんである
「ならあなた達だけで行きなさい。私達はここを片付けてさっさとオランに行くわ」
私の一言にそいつらは反論してきた
「なんだと、俺達が今のうちに盗賊を退治しておけば、これからここを通る奴らが安全になるんだぜ」
「確かに倒せたら安全になるわね。だけど盗賊団はどこにいるの?それに数は?」
そいつらは全員口を閉ざした
場所も数もわかっていないからである
私はさらに続けて
「答えれないんだったら偉そうなことは言わないでね。それに何時襲ってくるかなんてわかんないわ。それならさっさとここを片付けてオランに行く方が懸命よ。それとも何処にいるかわからない盗賊団を探しまわるわけ?」
文句はあちらこちらで聞こえたが、片づけが開始された
片付けの最中エリシアが私に近づいて来て
「リティリアさんってやっぱり凄いね。私、さらに尊敬しちゃう」
「すごいも何もホントの事を言ったまでよ。一歩間違えば私達もそこにいる人達のお仲間よ。そんな事はごめんだわ」
「でも言えるのってすごいですよ」
「わかったわ。さっさと片付けをしましょ」
だけど気になることが一つ。女の人が少ない
たぶん連れ去られて慰め物になっているのね・・・生きていればどうにかなるわ
そして自分ではなくてよかったとしか思えなかった
そして片付けを終え、オランに向かった
その夜、何時ものように3交替・3人ずつで夜の見張りをしていた
私が見張る時間は朝方から朝までである
だけど起こされのは真夜中である
盗賊が襲って来たのかと思ったが、別のことだった
エリシアが行方不明になったと言う
どうしていなくなったかは誰も知らない。気付いた時はもういなくなっていたと言う
探そうと言った奴がいる
だけど、今ここを離れてその間に商隊が襲われたら意味がない
可哀相だけど、エリシアは捨てることになった
誰かがエリシアのことを思って泣いていた
だけど私は悲しいと思えなかった
かってに行動をした結果どうなろうとそれはあの子が悪い
「かってに行動したあの子が悪いのよ」
誰かが私を罵声したが気にならなかった
私達は盗賊団に襲われることもなく無事にオランについた
私の仕事はこれで終り。次の仕事を探さないといけない
エリシアのことは悲しいと思わなかった
あの子がバカなだけとしか思えない
あの惨劇現場を見ても自分じゃなくてよかったとしか思えなかった
アルフィデア様が死んだ時も涙は出なく、悲しいと思う暇もなかった
・・・・私に悲しみという感情、涙はあるのだろうか?
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