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No. 00149
DATE: 1999/10/12 23:19:48
NAME: ファーウェイ・リンデンウォール
SUBJECT: 学院に提出された報告書
このEPは魔術師ギルドに提出された報告書です。
登場人物
ファーウェイ:魔術師ギルドに所属する導師
ウォレス:ファーウェイの弟子
冒険者達:パダで雇った護衛の冒険者
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10の月3日
本日、かねてより噂のあった遺失魔法の一文が発見された場所が我が弟子ウォレスの一月を掛けた聞き込み調査により
場所が特定される。
なお、オランより護衛に雇った冒険者は場所の特定が長引いた為、拘束期間切れ。新たにパダにて雇用す。
また、予想外に場所の特定に時間を割かれ、新たに冒険者を雇い入れた為、予算の増額を検討されたし。
10の月5日
目的の遺跡跡に到着、道中、妖魔には遭遇するも護衛の冒険者が撃退す。冒険者といえども十分に賞賛に値する働きであった。
夕刻に到着した為、本日はここにベースキャンプを設営し、明日より本格的に調査を実施予定。
10の月6日
本日の夜明けと共に調査を開始。貴族の屋敷跡だったらしく、めぼしい物は盗掘家(冒険者)どもにあらかた持ち去られた後であった。
しかし、昼頃に館の主の事を記したらしい石版が見つかる。
それによると館の主は拡大魔術師の名門だったらしい。おそらく学院内の図書にも載っていない新事実であろう。
この発見により、我々が捜し求める遺失魔法の構文が有る可能性が高くなった。
だが残念なことに本日の発見はこの石版だけである。明日に期待を掛ける事とする。
10の月7日
予算の増額が認められ無かった為、本日にて調査最終日である。今日こそは構文が発見される様にラーダ様に祈りを捧げる。
ラーダ様の御加護か目的の遺失魔法の構文の一部が発見される。ラーダ様、貴方の光は地に眠る知識に光を当てたもう。
構文が発見された辺りを重点的に調査を再開し、更に隠し棚が発見される。
魔法の鍵が掛かっていた為、修行の意味も込めウォレスに”アン・ロック”を掛けさせる。
古代王国の遺跡にしては奇跡的に魔法が成功し、鍵は外れた。雇い入れた盗賊もこれ以上罠は無く安全だとの事。
ウォレスが隠し棚を開けた途端に閃光が走り近くにいた数人の者が爆風に煽られ倒れ伏す。
魔法の罠が発動したらしい。雇い入れた冒険者が仲間と爆心にいたウォレスに駆け寄り助け起こす。
奇跡的に命は助かったらしいが、ウォレスの右手は手首から先が無くなっていた。
本日はこのトラブルの為、これ以上の調査を断念しパダに戻る。
10の月9日
パダに帰還す。誠に遺憾ながら収穫と呼べる物は棚が爆発する前に写した遺失魔法の構文だけである。
また、貴重な魔法の使い手が事故によりその魔術師生命を絶たれた事をここに記す。
追伸:ウォレスの処遇に付いては賢者として学院に在籍を許す様、切に願うものである。
署名 導師 ファーウェイ・リンデンウォール
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