No. 00178
DATE: 1999/11/18 01:55:08
NAME: レド&リーフ
SUBJECT: 裏切りの魔術師(地下の暗黒司祭編)
「レッディ、いるかい?」
そういって常闇通りの家に訪ねてきたのはリーフだった。
家の中は騒がしい子供の群が存在しており、話す状態ではなかった。
「今日の勉強は終わりだ・・・解散。」
そう言うと常闇通りの子供達は歓声を上げながら帰っていく。
戸口にもたれかかりながらリーフは皮肉そうに微笑う。
「血と炎の赤を好む君らしくないね、先生かい?、くっくく。」
「仕方在るまい、ここら辺のルールらしいからな。」
私は弱い者同士お互いが助け合って生きるここの生き方が嫌いではなかった。
ここら辺の顔役である、でっぷり太った女に子供達に文字を教えろ、
と言われた時には戸惑ったが、最近それも悪くないと思いはじめていた。
・・・確かに就職の時、読み書きが出来るというのは大事なことだ。
まあ、代わりに出来上がった食事が貰えるのは助かる事ではあるし。
机の上をかたずけながら用件を聞く。
「最近、冒険者達が大挙して攻めてくる、って話があってね。」
・・・リヴァ達のことか、何処から漏れたやら。
「で、どうしろと?。」
「手伝って欲しいなぁ、レッディ。」
にっこり笑うリーフ。
十何枚かの羊皮紙に穴を空け、一つの表紙にまとめながら。
「条件がある・・・、オランから出ろ。」
そう視線を手元に向けながら言う。
「え〜やだなぁ、せっかく地下まで潜ってるのに、くす。」
「人質など取るからだ・・・馬鹿め。」
何時までも戸口に立ってられると迷惑なので中に入らせる。
「あれ(ファズ)は自分から来たんだって!。」
同じ事だろうが・・・と呟きながらワインをグラスに注ぐ。
「僕の分もおくれよね・・・」
リーフがテーブルにつく
「じゃあさ、アレは返すから冒険者返り討ちにするの手伝ってよ!。」
(リーフ内心:無事に、とはいってないけどね。)
「・・・わかった、殺さない程度に復讐するなら手伝ってやろう。」
私はワインを飲み干すと席を立つ。
「ね、キース預けて置いてよ、用があったら呼ぶからさ。」
赤ワインをぺろりとなめながら邪悪な微笑を浮かべる。
「解った・・・。」
キースを預かると、リーフは音も立てずに立ち去った。
さて・・・どう対処するかな、これから。