No. 00199
DATE: 1999/12/07 02:19:39
NAME: リュイン
SUBJECT: 再会・・・約束の始まり
風が冷たく真っ暗な夜
温かい場所を求めるかのように一人の少年。いや、少女が足早に歩いていた
少女はいきなり足を止めると前方の角に向かって
「どうせそこら辺にいるんだろ。出て来たらどうだい」
少女の声に反応するように角から一人の少年が姿を現した
「おやおや、気付かれていたようですね」
「どうせ君の事だからね、いると思ったよ。ルーファ」
ルーファと呼ばれた少年は微笑を浮べると
「わかっていてくれて光栄です、リュイン。それで、わかっていますね」
リュインと呼ばれた少女は苦い顔をすると
「わかっているよ。そのかわり、君もちゃんと守れよ」
「わかっていますよ」
2人がそんな会話をしているところに、つい先日オランに戻って来たばかりのリュインの元仲間であるリックが来た
リックは様子のおかしかったリュインをおいかけてきたのである
リックは二人を見つけるとすぐに角に隠れ二人の遣り取りをこっそり覗き聞き耳をたてていた
「宿に篭るとかは止めて下さいよ。ちゃんと外に出てくれないと面白くありません」
リュインはルーファを睨みつけはきすてるように
「わかったよ」
「あなたは物分りがよくて大変助かります。それでは僕はこれで。あなたの苦しむ顔が目に浮びますよ」
ルーファはまるでリックに気付いているかのように笑みを浮かべてからその場を立ち去った
ルーファがいなくなると同時にリックは角を飛び出し
「リュイン、あいつと何があったんだ?」
と声をかけた
リュインはびくっとしゆっくり振り向く
一瞬、いつもは余り見せない冷たい目をしていたが夜の闇のせいであまりわからなかった
「なんでもないよ。リックはどうしてここに?」
「どうした、変だぞおまえ」
「なんでもないって言ってるだろ。それより僕にかまわないでくれ」
それだけ言うとリュインはまるで逃げるかのように走ってその場を離れた
「いきなりなんだよっておい」
リュインは振り向きもしなかった
「くそ、なんなんだよいったい」
リックはリュインを追いかけて走り出していた
だが途中でまかれ見失っていた