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No. 00007
DATE: 1999/12/19 19:02:53
NAME: ディオン&リティリア
SUBJECT: 下水道調査(一日目)
ここはオランの地下下水道
そこを一組の男女が生態調査の名目で歩いていた
男の名をディオン、女の名をリティリアと言う
生態調査と言うのはあくまで表向きの事で本当はファズと言う少年を助けるべく動いてたのだ
名目とは言え調査はしないといけないので2人はそれなりに調査をしていた
今のところこれと言って変わったものは無い
盗賊ギルドから借りた地図とも今のところ一致をしている
しばらく進んだ所で先を歩いていたリティリアが不意に足を止めた
「どうした?」
リティリアはディオンをちらっと見てから軽く前方を差し
「あそこの土管から流れ出る水の所の下、あの緑色はなに?さっき、対岸の似たような所にもあったわ」
「どれどれ」
ディオンはひょいっと覗きこんだ
「一応、持って帰った方が良いんじゃないか?」
「なら採取はお願い」
「へいへい」
ディオンはヘドロの前にしゃがみこむと一部を取り水袋に入れた
リティリアはその間に自分で書いた地図にヘドロがあった場所を書きこんでいた
「すんだぞ」
「なら先に進みましょ」
それからも二人は無言で淡々と作業を続けて行った
「ここらへんは地図に載ってない場所ね」
不意にリティリアが口をひらいた
「そうなのか?すると何が出て来てもおかしくないってことだな」
ディオンは苦笑を浮かべてそれに答えた
言っているそばから前方に怪しい煙の固まりが出現した。いや、始めからそこにいたのかもしれない
「・・・なにあれ」
「・・・・・・・見たことないな。モンスターじゃないのか?」
「なら、悠長になんて出来ないわね」
そんなのんびり会話をしていると、そのモンスターは2人に襲いかかって来た
そのモンスターの名前はギズモである。だけど2人にはそれがわかっていなかった
ディオンは剣を構えて、ギズモを迎え撃つ準備をする
リティリアの方は光の精霊を召喚し、何時でもぶつけれる準備をしていた
今回の探索でリティリアは他のメンバーには自分が精霊使いだと言うことを隠していたが、昔馴染みでもあるディオンとのコンビだったので気にせずに魔法を使う事にしたのだ
ギズモが間合いに入った瞬間、ディオンの剣が一閃する
ギズモに向かって、右袈裟、左袈裟と斜め十字を描くように切りかかる
だが手応えはなく、ディオンの剣は宙を切るばかりであった
「ちぃ、剣がきかないぞ、こいつ」
リティリアはディオンの剣が効いてないのを見ると、すぐさま光の精霊を投げつけた
光の精霊が当たると、ギズモは苦しんでいるかのように少し小さくなった
「どうやら、魔法は効くみたいね」
「みたいだな。よし、そう言うことなら」
ディオンはフォースを使おうと、ギズモに向かって手を突き出した
しかし次の瞬間、ギズモはリティリアを包みこんでいた
「けほ・・けほ・・」
ディオンはそれを見ると魔法を使うのを躊躇った。下手をしたらリティリアにも当たるかもしれないからである
リティリアはギズモに巻かれながらも、冷静にまた光の精霊を呼び出しギズモにぶつけた
ギズモが一瞬ゆらぐ
「ディオン、今よ。私のことは気にしないで・・・けほけほ」
それだけ言ったが、リティリアはギズモの煙を吸ってしまい体がゆれる
ディオンは一瞬躊躇ったが、すぐに決心を固めてギズモ目掛けてフォースを撃った
フォースが当たると、かき消されるかのようにギズモは消滅し、その直後リティリアは片膝をついていた
ディオンはすぐにリティリアに駆け寄る
「おい、大丈夫か」
リティリアは少しだけ青い顔をしていたが立ち上がり
「大丈夫よ。さぁ、先を急ぎましょ」
「おいおい、無理するなよ。顔が青いぞ」
「大丈夫と言っているでしょ。それに早く友達を助けたいんでしょ」
ディオンは少しだけ怒鳴り気味に
「もう少し自分の体の事を考えろ。この先またモンスターが出たらまともに戦えないだろうが」
リティリアは少しだけ肩を竦め
「・・・・・ふぅ、わかったわ。なら帰りましょ」
そういって、リティリアは元来た道を戻りだそうとした
「おい、ちょっと待て」
「なにかしら?」
ディオンはリティリアに触れ、キュア・ウーンズの呪文を唱えた
「これでよしっと」
「一応お礼を言っておくわ。ありがと」
こうして、二人の1日目の探索はここで終了した
***報告書***
サンプリングした水、生物の事が書いてある
数ヶ所、ヘドロが付着していた所あり。場所は地図に記入してあり
ヘドロのサンプルは提出
未知の地帯の地図を提出
そこで不定形のモンスターと戦闘・・・サンプルは不可のため報告だけ
以上
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