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No. 00008
DATE: 1999/12/21 01:19:21
NAME: オウティス
SUBJECT: 吟遊詩人よ、熱く唄え!熱く語れ!
人物紹介
オウティス:東方系の顔立ちの女性吟遊詩人。にしては不似合いな名前を持つ。きままに亭のシチューとブランデーが好き。
男は待っていた。自分の時間である「夜」を。
男は見た。水のように透き通り、影のように形定まらぬ自分の体を。
魔力が暴走したその日から、男は陽を浴びる事できぬ身体となった。
(なぜ・・・・俺だけがこんな目に・・・・?)
(欲しい・・・!肉汁滴るステーキに、良い香りのするワイン!そして女!ああ・・・・誰かこの渇きを癒してくれ・・・・気が狂いそうだ・・・)
今まで当たり前だったことが当たり前で無くなる。その苦しみが徐々に、彼の心を蝕んでいった。
(憎い・・!生命在る者達が・・・!自分がどれだけ恵まれているかも知らずに、のうのうと生きやがって!)
(憎いぞ、憎いぞ、憎いぞおぉぉぉぉおぉおぉぉぉぉおぉおぉ!!)
これが男の殺戮宣言だった。
再び眼を閉じ、闇が街を覆うのを待つ。そう、夜が来れば・・・・
その時、男の偽りの耳に一つの旋律が聞こえてきた。
(こんな人気の無いところで唄をうたう奴がいるとはな・・・・・)
そう思いながらも男は唄に耳を澄ませる。
(唄か・・・・久しく聴いていないな。何という曲だろう?やけに心に引っかかる・・・・)
ゆらりと、男の体が動く。
(誰だ?誰が唄っているのだ?さっきから気にな・・・・・あ!!)
男の体はすでに隠れ家の小屋から抜け出し、陽の当たるというところまで来ていた。
(くそぉぉぁ!?馬鹿なぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!)
最期の叫びを上げながら男は見た。リュートを手に、唄うたう女の姿を。
「ん?」
演奏する手を止め、女が振り向く。しかし、そこに在るのはうち捨てられた廃屋。
「(誰か居たような気がしたんだけど・・・・気のせいか。)」
そして陽を浴びた女の声が、再びその場を支配する。
「(それにしても此処は人が来ないから呪歌を練習するにはもってこいの場所だな。)」
日溜まりの中、女の唄だけがその場所を・・・・。
「とと・・・・失敗失敗。早く憶えないとね、キュアリオスティ・・・。」
女は知らない。その唄が幾つもの命を救ったことを。自分が英雄となったことを。
オウティス: 「はい、私のお話しはこれでお終いです。」
ここはきままに亭。冒険者達が集う場所。
オウティス: 「どうでしたか?ちなみにこの話に出てくる女というのは、このわた・・・」
リティリア: 「イマイチね。」
リヴァース: 「陳腐だな。」
レイシャルム: 「もう一つ捻りが欲しいなあ。」
オウティス:「・・あは、あはははは・・・・そ、そうですよね、ははは・・・」
顔では笑い、心では泣いているオウティス。がんばれ!オウティス!次こそは、同業者達をあっと言わせるんだ!
(「吟遊詩人よ、熱く唄え!熱く語れ!」・・・・・おしまい)
オウティスPL: 「どうかな?このエピ。」
リティリアPL: 「イマイチ。」
リヴァースPL: 「陳腐だ。」
レイシャルムPL:「もう一つ捻りが欲しい。」
オウティスPL: 「(ガーーーーン!!)」
↑嘘です(笑)
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