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No. 00017
DATE: 2000/01/04 06:58:12
NAME: リティリア
SUBJECT: 忌まわしき過去
雪・・・・自分でふった話なのに酷い後悔をした
思い出した事はあのエレミアでの生活・・・あのお方に出会う前の生活・・・
お酒好きの父、男をとっかえひっかえの母
普通なら誰も私を見ないだろう。だけど自分のお腹を痛めて産んだ子だからなのか、疎ましく思いながらも母は私の事を見てくれていた
だが、父は私が自分の子だと認めてくれなかったのだ
瞳の色が違う・・・ただそれだけで認めてくれなかった
母の男遊びの結果だと思っていたみたいだ・・・父は私によく暴力を振るった
いたぶるように・・・・私に暴力を振るった・・・
だけど私はいつか認めてくれるだろうと信じていた
そしてあの日。秋も深くなって来た頃。父は一本の松明を持ってきた
父は私の服を脱がすとその松明を私の背中に近づけた
直接肌につけられていなくても熱い・・・熱くて泣いて懇願した
だけど父はそれを面白そうに見ていた
必死に逃げようとした瞬間・・・その松明は私の背中に押し当てられていた
私はなんとも言えない悲鳴をあげた・・・嫌な匂いが部屋に広がる
そこで父は自分が何をしたのか気付き松明を離した・・・そして簡単な治療をしてくれた
と言っても濡れた布をその火傷に当てるぐらいだったが
母は私の背中の火傷を見ると泣きながら世話をしてくれた
私は少し嬉しかった・・・母がこんな事をしてくれるなんて思わなかったから
だけど真相は違っていた・・・・それから数週間後、私はなんとか起き上がれるぐらいになった
死にそうだった・・・普通なら死んでいたのかもしれない。生きているのはただ運が良かっただけだった
スラムにたまに布教に来る神官が、たまたま私が寝こんでいる時に来たのだ
その神官のおかげで私は助かった・・・・だけど背中の火傷の跡は消えなかった・・・
そして、私が元気になった頃には母はいなくなっていた・・・私と父を捨てて別の男と一緒に逃げたのだ
私が寝こんでいる間、父の暴力の矛先は母に向かっていたのだ。涙の理由は暴力を振るわれた事と私への恨み・・・たぶんそんなところだろう
そして母はその暴力に耐え切れず逃げたのだ・・・
それからだった・・・父が変わったのは
なんだかんだ言って父は母の事を愛していたみたいだった
その母が逃げて後悔したらしい・・・そして母を私の中に求めるようになったのだ
暴力は無くなった・・・その代わり母の名前を呼びながら私を抱くようになった
物凄く嫌だった・・・そして私も父から逃げた
どうなるかわからなくても良いから仲間達と暮らす事にした
もしあの時死んでいたらどれだけ良かったのだろうか、その思いはずっと続いていた
あの方に会うまで・・・
二度と思い出したくない・・・・思い出さない
あの方に出会い「リティリア」の名を貰った時に私は生まれ変わったのだから・・・
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