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No. 00042
DATE: 2000/01/27 02:00:41
NAME: ザード、ガイア他
SUBJECT: さらわれた貴族と使用人(濡れ衣)
1/26(ザード、アンシーの動き)
イルヴァンテという老紳士より、20万ガメルにもなるかもしれない報酬につられ、ザードとアンシーは指示された家に向かった。
彼らがこの依頼を受ける前、青年の姉を助けるという依頼を受けていたが、それを無断破棄している。無理もない額ではある。1000ガメルと20万ガメルでは比べようもない。しかし、冒険者たるもの、依頼を受けたのであるならば、断るにもそれ相応の礼儀を示さねばならない。違約金を払うなり、依頼者の承諾を得るなりと。しかしこの二人はあっさりと見限り、鞍替えをしたのである。
イルヴァンテの家の前にはすでに何人かの冒険者が集まっていた。どうやら、あの老紳士は何件もの冒険者の店を回っていたようだ。
一同は一室に通された。手付け金として1000ガメルが支給される。あくまで20万ガメルは身代金が不要で、ヨークシャル卿が無事である場合に限っていた。 いくつかの説明を受け、それぞれが誘拐事件について調べることになった。
当然、誘拐された現場であるヨークシャル卿の屋敷を調べることは彼らに許された。ただし、事態が極めて深刻であるため国にも知られたくはないという。万が一情報が漏洩するようなことがそれ相応の手段に出る。と脅しをかけられた。
「どうも、怪しいですね〜」
ザードは一人、あれこれ推察を立ててみるが、それを裏付ける情報が何一つなく他人に言えることではなかった。
アンシーも無口で、屋敷に来たものの、こうした捜査は苦手とするか、なにをしてよいのか判らず戸惑っていた。
(ガイア、リュートの動き)
「元気を出せ!」
ガイアの声にルツァークが笑顔を取り戻す。
「そうや、気にするな。うちらがついている」
リュートも元気づかせようとして、即興の曲など披露しては適当に詩をあてがっている。
昨日、イルヴァンテの依頼に二人もの仲間を引き抜かれた依頼者が彼ルツァークである。
田舎から姉に会いに、出てきたのだが、道を迷ったことが災いしてか、寸手の差で姉と会うことができなくなってましったのだ。
フォーマ卿が「人買い」として誤解を受けることになった祭りの村の出で、姉はこの祭りで優勝を果たし、大金と引き替えにフォーマ卿の元に引き取られていた。元より女性にあまり興味がなかったフォーマ卿は、単に村おこしで企画した祭りであったが、最終的に優勝した人物に賞金を与えるのもなんだと考え、使用人として引き取ることにした。それが人買いと言われる所以を作ったわけだが、本人は気にしていないようであった。
引き取った娘たちは大体はフォーマ卿の元で働いたが、彼の近縁に当たる信頼のおける貴族の元へ売られたりしていたが、10年ほどで自由の身を与えていた。 面会に来る親族への対応も優しく、娘や親族からもフォーマ卿は信頼されていた貴族であった。
そうした話を聞いた、ガイアたちはふと、フォーマ卿の名前に聞き覚えがあるような気がした。
そこへリュートが、噂話のネタを持ち出し、「悪大臣フォーマ卿」を語って見せた。
猛反発するルツァークをなだめると、事実が間違って流されている噂と向き合うこととなった。しかし、所詮噂とリュートは「誘拐事件とは関係なし」と言い切ってしまう。
しかし、今ひとつしこりがあるような気がして、ガイアはこの噂を無視してはいけない気がしていた。
悩みながらも、三人はさらわれた使用人と一人の貴族の情報を集めることにした。
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