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No. 00065
DATE: 2000/02/16 13:52:27
NAME: バルダッシュ
SUBJECT: "バルダッシュ"
「あ?てめぇが盗んだ事はわかってんだよ…何時まで白を切るつもりなんだ?へへへ…んじゃぁ、まだまだ痛めつけてやんねぇとな!」
「口のかてぇやろうだな。どうします?」
「へっへへへへ…どうやらそんなに喋らねぇなら言葉なんざいらねぇだろうってよ。んじゃぁお楽しみの時間だ。まずはこいつをひっこぬいてやろうかねぇ」
「ちぃ!野郎逃げやがった!お頭!どうします!?……いいんですかい?まぁ、確かに喋れなくなっただけでもこれから死ぬほどつれぇでしょうけど…こんな事なら目も昨日ひん剥いてやりゃぁよかったっすねぇ」
「ああ?なに眼飛ばしてんだ?いい度胸してんじゃねぇか。は!何黙ってんだてめぇ!?」
「大丈夫ですか?ああ、もしかして喋れないのですか?お可哀相に…申し訳ありません。私にはあの方々をおとめするような勇気が無くて…せめて、貴方にマーファの御加護があることを祈らせて下さい」
「ほほぅ。なかなかいい体をしていらっしゃる。名前は何と言われるのですか?ん?なんと、話せないのですか。むむむ…いや、まぁ、いいでしょう。貴方にお願いしたいのは護衛の仕事ですからね」
「なんだてめぇ。喋れないのか。何かあった時どうやって雇い主に危険を知らせんだ?それともそこまで考えていなかったってかい。んじゃ、これ使え。何かあったらおもいっきり叩いて鳴らすんだな。ば〜か、雇い主になんかあったら金づるがなくなんだろ。やっこさん、結構金払いがいいんだ。これからも長く付き合っていきてぇしな。だから礼なんざすんじゃねぇよ(笑)」
「大丈夫か?ったくどじなやろうだぜ。しかしまぁ、雇い主を体を張って守った所は評価してやるぜ。まぁ、それに傷の方も今見た感じ軽そうだ。上手く受けやがったな」
「お前、どうして喋れぇんだ?ああ?盗み?ばっかだなぁ。ばれねぇようにやれよそんなもん。あ?飢えてしょうがなかった?それこそばれねぇようにやんなって」
「すいません。貴方は冒険者の方ですか?え…傭兵の方ですか。すいません…え?仕事の内容…引き受けて下さるんですか!?あ、すいません。まず内容を聞いてからという事ですね」
「実は馬車ギルドの方のトレンタという人を探しているんです。どうも、最近行方不明らしいので…あ、実は私の叔父なんですけど。ギルドも手を尽くしているとおっしゃってるんですが…冒険者の方は人探しもやって下さると聞いたもので…」
「え…引き受けて頂けませんか…ああ、本当にすいません。え?本当ですか?お願いします」
「ありがとうございます。貴方の紹介して下さった方のおかげで叔父が見つかりました…え?オランに向かわれるのですか?貴方の旅路に幸運がありますよう、お祈り致しております」
「お〜い、君君。ほら、そこの君だよ。いかんなぁ、ここの市街地ではそんな物騒なもんを持ってちゃいけないよ。ほら、ちょっと詰め所まで来て」
「え〜、名前は?ん?喋れないのか。ああ、すまんすまん。ほう、オランへは来たばかりと。まぁ、確かにそれじゃぁしょうがないかもしれんな。で宿はどうしてるのかね?」
「ふむ、本当にまだ来たばかりなのだな。よし、では私がいい店を紹介してやろう。いや、あそこの料理は上手くてね。君はどこ出身だ?西の方から来たなら懐かしい味だと思うよ」
「お〜い、モニーク。いつもの店は西にまっすぐいった突き当たりだったっけかね?」
「おぅ、いらっしゃい。初めて見る顔だね。あんた、冒険者かい?」
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