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No. 00074
DATE: 2000/02/28 23:27:36
NAME: ミニアス
SUBJECT: 病気(後)
これは濡れ衣イベント「救出」「流れの交わり」のあとの、ミニアスの心境も書かれています。
そちらを先に読んでおくことを、おすすめします。
最近、よく考える。
自分にとっては、重要な事を・・・
「綿ふき病」が直ってからしばらくしたあと。
医者を紹介(連れてきた)してくれたカレンに対して、ブスッとした顔で礼を一言。
なんで男の医者なんかだよ〜ってのは、言わなかった。
まぁ、カレン達は知らないからなぁ。しかたないような、なんかと言うか・・・
ええぃ。こんなこと考えてもしょうがない。
今はこの目の前の現実・・・
宿代のツケ。
治療費のツケ。
あわせて一万ガメルほどの借金をなんとかしなければ。
そう思って、宿に貼ってある仕事の依頼をみていると、後ろからあの声。
「これがいいんじゃないの。一緒にどう♪」
なんでここにコロムがいる〜(泣)そりゃ、エプロン姿は似合っているけどさ。
「カレンと行くんじゃないのか?」
「もちろん、一緒よ♪」
・・・悩みの種がどんどん増えていくような気がする。
やっと病気で衰えた体が元通りに回復した、ある日の事だった。
ある店で遅めの昼食をとっていた時、後ろに座った何人かがこんな事を話していた。
「ガイスって言ったけか?胡散臭いよな〜」
「まったくだ。あの顔で信用しろっていうのはな〜。」
「人間、やっぱ見た目だな。五本も顔に傷があると・・・」
それ以上は、あまりよく覚えていない。
『ガイス』・・・あの男の名前なのか?いや、あの男の事だから、偽名とみて間違いないだろう。
いや、それよりもまだこのオランにいる・・・
手がふるえた。
その日の寝る直前までふるえていた。
それから盗賊ギルドに何度か顔を出して、ある依頼を受ける。
まぁ、それはいい。
問題はそれからだった。
あの男と会った。
正面きって飛び出したとか、ゴーレムにじゃまされたとかは覚えている。
覚えているのだが・・・
自分はいったいどうしてしまったのだろうか。
自分の今の武器や、相手の実力を考えれば、あんな行動はしないはずなのに。
なのに・・・
なにか自分が違うものに変わっていくような気がする。
このままでいいわけがないが、今の自分には決められない。
強くなりたい。
それは変わらない。
でも、なにか自分の中でおかしい所・・・壊れている所がある。
このままでよくない。
でも・・・
宿のベットに寝転がったまま、ミニアスは苦笑する。
『これも一種の病気なんだろうな。』
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