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No. 00075
DATE: 2000/03/01 05:16:21
NAME: スイ・リヨ
SUBJECT: 502年〜512年
502年 9の月
村のみんなが殺されてから何日かたった。
私たちは村のみんなの仇を討つために村をでることにした。
502年 9の月
チョクさんが死んだ。ゲン兄ちゃんが殺した。
「これ以上苦しませても、助からない」
そう言っていた。
502年 11の月
コウくんが死んだ。飢えて死んだ。
私たちはもう10日以上何も食べてなかった。
みんなで話し合ってコウくんを食べた。生き残るため。
目的を果たすまで…
502年 11の月
コウくんが死んでから、私たちは何でも食べるようになった。
「動物が食べるものは人も食べれるはずだ」
ジン兄ちゃんがそう言っていた。
502年 12の月
最近ゲン兄ちゃんが「はらりすさま」と言う言葉をよく口にする。
神様の名前らしい。聞いた事のない名前だった。
503年 7の月
シイさんが死んだ。狼に襲われた。私たちを逃がすためにシイさんが死んだ。
死体は…見つからなかった
503年 7の月
山の中でジェリクというお爺さんに会った。
食べれるもの、食べれないもの、ワナの仕掛け方、色々なことを教えてくれた。
504年 5の月
ジェリクさんと別れて私たちは再び旅に出た。
504年 10の月
初めて人のたくさん居るところ。「町」に来た。
でも、町に行ったのはセイ姉ちゃんとゲン兄ちゃんだけで、私たちは森で留守番だった。
504年 12の月
あれからいくつかの町に行った。私はずっと留守番だったけど…
505年 8の月
ジン兄ちゃんが「一人目」を見つけた。
セイ姉ちゃんが森に誘い出して、みんなで殺した。
私も両手で持った石を、何度も何度も振り下ろした。
506年 3の月
「一人目」からさほど離れてない小さな町で、「二人目」「三人目」「四人目」が見つかった。
「四人目」のとき、リュウちゃんが死んだ。
暴れてた「四人目」の親指がリュウちゃんの目に突き刺さった。
その怪我が元で死んだ。
506年 5の月
「五人目」と「六人目」を殺した。体が動かなくなる薬を使い、家族の目の前で。
「ただ殺すだけじゃ俺たちの怒りはおさまらない」
ゲン兄ちゃんが言ってた。
薬を作るのが私の仕事になった。今日からはみんなの役に立つことができる。
うれしかった。
507年 7の月
「七人目」を見つけた。でも、失敗した。
逃げる途中で、ジン兄ちゃんが弓で撃たれて死んだ。
508年 2の月
やっと「七人目」を殺すことが出来た。
そのとき、「八人目」から「十二人目」までの居場所を知ることが出来た。
508年 9の月
「八人目」を殺した。
私たちが殺しに来るのを待っていた。と言っていた。
だから、私たちは苦しまないように殺してあげた。
508年 10の月
「九人目」「十人目」を殺した。
「九人目」のとき、セイ姉ちゃんが怪我をしたがゲン兄ちゃんが触ったら治ってしまった。
「はらりすさま」の力らしい。
508年 12の月
「十人目」「十一人目」を殺した。
「十三人目」「十四人目」の居場所がわかった。
509年 7の月
「十二人目」を殺した。
それからしばらくして、セイ姉ちゃんが死んだ。病気だった。
ゲン兄ちゃんにも治すことが出来なかった。
509年 9の月
「十三人目」を殺した。
その人が私たちの村を襲うように命令した人だった。
私たちは特に念入りに殺した。
510年 1の月
「十四人目」を殺した。
510年 9の月
「十五人目」を殺した。あと、一人だ。
511年 3の月
ゲン兄ちゃんが死んだ。「八人目」の家族に殺された。
その人はゲン兄ちゃんが殺した。最後の力で
あと一人だったのに、ここまで来て「はらりすさま」はゲン兄ちゃんを裏切った。
私は神なんか信じない。私一人で最後の一人を必ず殺す。
511年 4の月
初めて町に行った。すれ違う人がみんな私を見る。怖かった。
511年 8の月
森で狩りをしている時、誤って崖に落ちてしまった。
大怪我をして動けなくなっていたところを通りかかった猟師の人が助けてくれた。
その人が、「最後の一人」だった。
512年 1の月
「最後の一人」を殺した。
ゲン兄ちゃんから受け取ったスイ様の服を着て、これまで通り家族の前で。
すべて終わった。
512年 1の月11日
オランという街に来た。この辺りで一番大きな街らしい。
私はここで待つつもりだ。
私はまだ生きている。
わたしはまだいきている。
なんのために?
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