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No. 00101
DATE: 2000/04/07 01:35:24
NAME: シーフィス
SUBJECT: とある一日
時間は夕方。
小さい子達に声をかけたのが運のつきだった
何か話を聞かせろとせがまれたのであたしは「お姫様と魔術師」の話しを子供達に話す事にした
「昔、昔、あるところに何時も泣いているお姫様がいました。お姫様が泣いているのは王子様がいなくなったからです
お姫様は王子様の事を思って何時も泣いているのでした。
何時ものごとく泣いているお姫様の所に一人の魔術師が現われました。
『そろそろ泣き止んでくれ。どんなに想ってもあいつはこないんだぞ』
『来ます。彼は絶対に来ます』
『私がここにいると言うことはあいつがここにいないと言う事だと言うのがまだわからないのか?』
王子様とは蛮族の男の事。その蛮族の男にお姫様は恋をしていたのです。
だけどお姫様の事を好きだった魔術師がそれを恨み蛮族の男に決闘を申しこみこの男を殺してしまったのでした」
「え〜、王子様は死んじゃったの?」
子供の一人が声を上げた
「うん、そうなの。だけどまだ途中だから大人しく聞いてね」
「うん」
声を上げた子供はにっこり微笑みいきよいよく首を縦に振った
それを見てからあたしは続きを話しだした
「魔術師は毎日お姫様を泣きやまそうと色々な事をしました。だけどお姫様はいっこうに泣き止みませんでした
魔術師は気付いていなかったのです。お姫様を泣かす原因が自分にもある事を。それなのに必死になってお姫様の笑顔を見ようとがんばりました
そしてどれだけか時間が流れたある日、ぱたっとお姫様の元に魔術師が来なくなりました
お姫様は魔術師がこなくなったのを始めは嬉しく思っていましたがどれだけたっても来てくれない魔術師の事をだんだん心配をするようになりました
ある日お姫様の元に魔術師が魔術の研究に失敗しずっと眠ったままになってしまったと言う事が伝わってきました
お姫様はいてもたってもいられなくなり魔術師の所に行きました。
魔術師は死んだように眠っていました。お姫様はその様子を見るとポロポロと泣き出しました
なぜかと言うといつのまにかお姫様は魔術師の事が好きになっていたのです。
お姫様は魔術師に起きてもらいたい一心で魔術師にキスをしました。するとどうでしょ。いままで眠っていた魔術師が目を覚ましたではありませんか
お姫様の愛の力が魔術師を目覚めさせたのです。
そこで魔術師は見たいと願っていたお姫様の笑顔を見る事が出来ました
そうして2人は何時までも幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし」
話し終えると子供達の拍手とともに色々な感想が飛び交った
あたしはそれをニコニコしながら答え
「ほら、そろそろお家に帰らないとダメだよ」
と言うと子供達は口々に
「バイバイ、お話しありがと」
と言ってそれぞれの家路についた
あたしは手を振りながらその後ろ姿を見てぼそっと
「あ〜あ、金にならない事をしちゃった」
呟いたら一人の女の子が小走りに戻って来て
「あ、お姉ちゃん。お話しおもしろかったよ。はい。これ今日のお小遣だけどお姉ちゃんにあげるね」
と銀貨を一枚をくれた
「今日は善意だからいらないよ。今度の時はちょうだいね」
とあたしは銀貨をその女の子にかえした
「うん、それじゃあね」
と女の子は走って行った
すると同時に
「シーフィー、またその話しを聞かせていたんだね」
声の方を見ると捜していた人?グラスランナーのアイオールがいた
「アイル、何処に行っていたのよ。捜したんだからね」
「え、おいらの事を捜していたの?別に捜してくれなくてもいいのに」
「あんたが何をしでかすかわかんないからでしょ」
「酷いな、おいらは何もしないよ」
「自覚が無いだけでしょ。おかけで何時もあたしがあんたを捜しているんだからね。ほら、行くよ」
とあたしはアイオールをひきづり仲間が待つ宿屋に帰って行った
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