No. 00116
DATE: 2000/04/30 23:03:13
NAME: 戦場の歌姫
SUBJECT: レイド−ロマール戦役人物伝(2)
− 戦場の歌姫 −
戦争において、従軍司祭は重要な戦力の一つである。
この戦役においても、レイド・ロマール双方ともに、マイリー神殿に赴き従軍司祭を募っている。
このことからわかるように、従軍司祭はその教義のことから考えても、戦神マイリーの司祭がつくことが常識となっている。
しかしながら、その常識を破るような従軍司祭がロマール側に1人いた。
その司祭は、芸術と運命を司るヴェーナーに仕え、吟遊詩人でもある。レイティシアと言う当時22才の女性だった。
彼女は芸術の街のベルダインの出身で、「戦場を全てを己の目で身。そしてこのことを後生に語り継ぐ。」と言い、ロマール群の従軍司祭へ自ら志願したという。
彼女は常に最前線の兵士の元に赴き、体の傷を神の奇跡・癒しの呪歌によって、心を歌によって癒したと伝えられている。
そうしたことからロマールの兵達は彼女のことを「戦場の歌姫」と呼び、彼女の名はロマール側だけではなく、レイド側にさえも広く知れ渡った。
そうして彼女は、ロマールがレイド併合直前までロマール軍に従軍し、戦後、ロマールのヴェーナー神殿への招聘を断り、東方へと旅立ったと伝えられている。
彼女が大陸各地でこの戦役について語り継いだ、歌は戦争の勇壮さを歌うものもあれば、戦争の悲壮さ、無益さを語るものもあり。全ての歌が同一人物の手によって作り出されたものか、はなはだ疑問に思う節も多々ある。