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No. 00126
DATE: 2000/06/01 17:17:06
NAME: リティリア
SUBJECT: 思い深き街にて
エレミアに付いた日(5/30)
その日は安宿をとり一応ギルドに顔を出してそれから旅の疲れもありさっさと寝てしまった
一日目(5/31)
朝、目を覚まし仕度をととのえるとまず市場に向かった
そこで花を買いそれからワインを買った。市場には見知った物売りのおじさんやおばさんが居てなんだか戻ってきた事を感じた
それから私はアルフィデア様の墓に向かった
誰も訪れる事の無い墓は汚れていた。まず綺麗に掃除し、その後に花を添え
「二度と戻って来ないと言いましたのに戻って来てしまいました。あなた様が亡くなってもう一年も経ったんですね。すぎてしまいましたが一年目くらいちゃんとお墓を参ろうと思いました
それだけではありません。あなた様の死とちゃんと向き合おうと思いました。これる時はまた来ます」
私は古ぼけた指輪を外し
「本当ならこれは左の薬指につけてあなた様のもとに嫁ぐと約束していましたのにね。あなた様が亡くなった時、私はあなた様以外は想わないと思いましたが今は・・・
ですからこの指輪をあなた様に返します」
私は花を退かし墓の前に小さな穴を掘り、指輪を埋めた
「それとこれはあなた様の好きでした赤ワインです」
ワインの蓋を明けアルフィデア様の墓にかけた
墓参りの帰りに私はあの屋敷の前に来た。面持ちはかわっていなくとも誰かが住んでいる気配は無く荒れ放題だった
夜中、私はもう一度屋敷の前に来ていた。忍び込む為である
人が住んでいるのでは無いので易々と忍び込む事が出来た。そしてアルフィデア様の部屋に入った
夜だと言うのにあの日、あの朝の事が今そこで起きている感じがした。忘れられない・・・あの思いだけは
いつのまにか私の頬を涙が零れ落ちていた・・・まだあの時の気持ちが鮮明に残っているから
二日目(6/1)
この日はスラムに出かけた。
オランで再会したメルヴィスの言っていた事を確めるために
ここも昔と特に変わってはいなかった。近所のおばさん達にも会えメルヴィスの言っていた事が真実だと言うことを確認した
あんなのでも父親だった・・・いないとわかると少し悲しく思えた
おばさん達は私にここに戻って来ないかと言ったがここはもう私のいる場所とは違っているから・・・私はシェリセアでは無いから・・・
それから私はスラムの外れの方に住む、大好きだったお婆さんの所を尋ねた。
まだ生きているかどうかはわからなかったがあの人にも会いたかったから
お婆さんは生きていた。私が行くと目を細めて優しく
「大変じゃったろ。よくがんばったな」
と一言いってくれた。私はその言葉を聞いたとき何故だか涙が溢れ子供みたいに泣きじゃくった
どうにか泣き止むとお婆さんは昔のように古い話しを聞かせてくれた
何度も聞いた話しなのになぜか始めて聞くような感じがした
ここで聞いた話は何時か誰かにしようと思った・・・お婆さんの事を思いながら
別れ際お婆さんは私に『どんな姿をしてもおまえはおまえじゃ。どんなに自分を偽ってもおまえの事を判ってくれる人がいるじゃろ。それと体は大事にな』
となんだか最後の方はにやついていたけどそう言ってくれた。私を判る人なんて居るのだろうか?自分でも私というものが判っていないのに・・・と思いながらあとにした
・・・・気付いていたようね。気付かれないと思っていたのに
その日の夜、私は行きつけだった酒場に顔を出した
知らない顔もたくさんいたが見知った顔も何人かはいた
私との再会を喜んでくれた人、体の事を心配してくれた人・・・私はここにいても良いのかと思えた
そとて一つの話を聞いた。アルフィデア様の親戚連中が私の事を探していたと。私とあいつらはもう何も関係無いはずなのに・・・
考えてもしょうがない。それに久しぶりの再会である。つのる話しとともに明け方近くまで私はその店で飲みあかした。
三日目(6/2)
これからどうしようかと考えながら私は市場を歩いていた
ここには長く居たくない。だけど今の状態で旅は無理だろう・・・
そうなるとここに居るしかない・・・何処に行こうかなどを考えて居た
夕方頃だっただろうか・・・誰かにつけられていると感じた。私は裏路地へと入って行く
案の定つけられていたみたいだ・・・私はさっさとそいつをまき表通りにもどろうとした時、なにかの気配を感じて振り向こうとしたが口頭部に強烈な痛みを感じ私の意識は闇に落ちていた
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