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No. 00134
DATE: 2000/06/14 02:37:31
NAME: ケイド
SUBJECT: 日記「ノルドにて…(6/7)」
カール兄さんの任地先、ノルド村からカルナさん…じゃねぇカルナ義姉さんから手紙が俺宛てに届いた…。
「う〜ん、何だろう。とうとう子供生まれたか」とか思いつつ手紙の封を切ると「あの人(注:カール)が神殿の仕事で今村を出ています。もうすぐ、生まれそうなのです。良かったら、こっちへ遊びに来ませんか?」とのこと。
カール兄さん…嫁さんの初産が近いときぐらい、神殿お勤めおろそかにしても、罰は当たらないと信心深くない俺は思うのですがどうなのでしょうか?
まあ、カルナ義姉さんが泣き言入れて、俺を頼ってくるなんて、そうおいそれとはある事でもなし、オランにいた頃はこっちがプータラしていて、3食全部世話になった時期もあるし…ま、学院とアーヴさんの店が休めるようならしばらく行ってみるかなって思い立つ。
結果…あっさりと両方とも休める。特に学院の方、良いのか特待生あっさりと休ませて…という疑問が少々脳裏に浮かぶが、そんな琴を口に出して、せっかくい阿多抱いたお休みがふいになってしまうのが惜しいのでそっと胸に仕舞っておくことにした。
それと、「万が一出産までにカール兄さんが帰ってこないと非常に心細い。」とアーヴさんに相談したら。どうこうしてくれるとのこと。思うに、学院行くときの弁当作ってもらったりしていて、つくづく思うがアーヴさんって、見た感じの雰囲気よりもずっと面倒見の良い人だなぁ…と実感。それとも俺がベルダインにいるあーヴさんの子供さん達と大して年が離れていない所為だろうか…まあ、どっちにしろ良くしてもらっているの確かである…きちんとお礼してないのが非常に申し訳ない。
蛇の街道から少し外れた間道を通ること3日、目的のノルド村へ到着。いや、全行程馬車(一頭立て)を使ったから結構楽であった…アーヴさんはね。
御者をやっていた俺と、牽引役引き受けたカール兄さんの愛馬シューティングスターは結構大変であった…。いや、きちんと舗装されてない道場所で行くっつうのは大変だって事を身をもって体験する…。
兄さんが村に溶け込んでいるおかげか「オランに住むカール司祭の弟だ。義姉に会いにやってきた。」というとあっさり迎え入れられる。普通、半妖精とかに対するこういう地域の方々の反応って、尋常なくきついと聞いていたのだが…本当に暖かく迎え入れられてほっとする。
村に着いた次の日にカール兄さんが帰宅。んじゃ、俺来るだけ無駄って感じもしたが…。ま、可愛い甥っ子なり、姪っ子なりの面見てから帰るかなと思い立ち、しばらく滞在を決意。
それから二日後…カルナ義姉さん無事に女の子を出産。この日は一日中大変だった。
まずは朝食直後、カルナ義姉さんが産気付く。兄さんその直後パニック状態へ陥る。
アーヴさんやむらの女性達に伴われて、奥の寝室へと連れて行かれるカルナ姉さん。
そして、台所へ置き去りにされる男二人…非常に重い空気が部屋を包む…非常にきまずい。仕方が無いので、本を持ち出し読み始めるが…どうも活字に集中できない。カール兄さんは何を思ったか雨が振る最中外で素振り始めるし…手持ち無沙汰なのは分かるが風邪引いたらどうするつもりなのだろうか。
読んでるのだが、読んでないのだか分からない状況で数冊の本を読み終えた辺りでふと外を見るとすでに暗くなってきて、残り物で夕飯を澄まそうと思った矢先に奥の部屋が騒がしくなる。
俺が部屋に入った直後にカルナ姉さんは無事に女の子を出産した。
それから、しばらくして俺とアーヴさんは村を立った。…オランはもう少しである。
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