 |
No. 00159
DATE: 2000/08/12 02:27:16
NAME: リティリア
SUBJECT: 孤独な心に光は射し込むか
(P:これは8月9日の事です)
皆、私を置いて行く。
嫌だと言っても聞いてくれない・・・誰もが私を一人にしようとする。
一人は嫌・・・淋しいのは嫌い・・・。
心の中では”私を一人にしないでほしい”って叫んでいる
だけど誰も聞いてくれない・・・
一人は嫌だけど、一人で居る。
淋しいのは嫌だけど、一人で居る。
初めから一人なら、一人寂しさに耐えることができる・・・。
誰かが泣いている・・・。小さな女の子が泣いている・・・。
あれは、私?小さい頃の私?
”泣かないで”そう思っても涙の止め方は知らない・・・。
泣いて居るのは私だから・・・。
そこで目が覚めた・・・今のは夢だったみたい。
体を起こし周りを見る。見なれない場所だ。
「あ、リティリアさんおはようございます。もう起きても大丈夫なんですか?
また倒れたんですよ。本当に…あんまり心配をかけないでくださいね」
そう声をかけたのはホリィだった。
ホリィはベッドの脇にある椅子に座り、リティリアを心配そうに見つめていた。
「え・・・?」
リティリアはホリィの言葉を聞くと、自分がなぜここに居るのか思い出そうとした。
”そう言えば・・・私、河原で・・・”
「・・・ごめんなさい。」
「本当に、無理はしないでくださいよ。あんな思いするの・・・もう嫌ですからね」
とホリィは涙を浮かべて答えた。
リティリアは少し戸惑いながら、
「え・・・ええ、解ったわ。・・・ねぇ、一つ聞いて良いかしら?」
ホリィは涙を拭いながら「はい、なんですか?」と答えた。
「どうして他人の私をそこまで心配するのかしら?」
「心配をしたらいけないですか?」
と、目を潤ませながら答えるホリィ。
「そう言う訳では無いわ・・・ただ、私とあなたは他人よ。家族でもなんでも無い人をそこまで心配、出来るのかと思って・・・」
「好きだからですよ。リティリアさんの事を好きだからです。リティリアさんの事を好きな人は私の他にもい〜っぱいいますよ。」
「そう・・・それともう一つ。もし・・・とても苦しい事があったとしたら、好きな人と一緒に乗り越えるの?それとも一人でがんばる?あなただったらどっちかしら?」
「私ですか。私だったら当然好きな人と一緒にがんばりますよ。でも、なんでそんな事を聞くんです?」
リティリアはホリィに心配を書けないように微笑みながら
「ただなんとなくよ」
とだけ告げた。
ホリィはリティリアの瞳を覗きこむと、「本当ですか?」と聞く。
リティリアは苦笑を浮かべ
「ええ、本当よ」
「なら良いです。あ、いっけない。そろそろお店に戻らないと。また後で来ますね」
ホリィは慌てて立ち上がり、パタパタと扉の所まで走っていった。
「わかったわ。気をつけて」
「リティリアさん、早く元気になってくださいね。じゃないとレドさんも心配しますよ」
と言い残しホリィは部屋を出て行った・・・。
ホリィが出て行ってから大きな溜め息をつきながら
「好きだからか・・・」
窓から外を見てそう呟く
「なら私はここにいても・・・」
そのまま窓の外を眺めながら考えふけっていた。
しばらくして誰かが窓を軽く叩いているのに気が付いた。
リティリアは我にかえると窓を叩いた主を見た。
「あら、どうぞ。開いてるわよ」
「お邪魔しま〜す」
と窓から入ってきたのはミュラだった。
「どうしたのかしら?」
「どうしたのじゃないですよ。倒れたって聞いたんですけど・・・大丈夫ですか?」
「あなたも心配してくれたのね。ありがと」
ミュラはリティリアに近づきベッドの脇にある椅子に腰を下ろした。
「お礼なんかいいっすよ。それより、大丈夫なんですか?」
「ええ、もう大丈夫よ。」
「もっと自分の事を大切にしないと・・・リティリアさんだけの身体じゃないんですからね。あんまり周りに心配をかけない方がいいですよ。」
「そんなつもりは無いけれどね・・・それに私なんかを心配する人が居るのかしら・・・」
ミュラはいきなり立ち上がると、
「なに言ってるんですか。リティリアさんの事を心配している人はいっぱいいますよ。もっと周りを見て下さい。」
リティリアはミュラのその剣幕におされ
「え・・・ええ、そうなのかしら?」
「そうですよ。もっと周りを信じて下さいね。」
その言葉を聞くと、自然にリティリアの頬を涙が濡らしていた。
「あ・・・ごめんなさい。そんな事を言われるなんて思ってもみなかったから・・・」
「泣かないで下さいよ。そんなつもりで言ったんじゃ無いんですから・・・まるで私がいじめているみたいじゃないですか・・・」
「嬉しかったのよ。そんな事を言われてね。ありがと。・・・それと今の言葉、そっくりそのままあなたに返すわ」
「えっ? ど〜ゆ〜事ですか?」
リティリアは涙を拭いながら、
「なんでも無いわ」
「そうっすか? じゃボクはこれで帰ります。早くちゃんと良くなって下さいね。」
「ありがと」
ミュラはにっこり笑い、手を振り、それから窓からひょいっと出て行った
リティリアはそれを見送った後もう一度眠りに着いた
 |