No. 00003
DATE: 2000/12/12 00:06:35
NAME: アイシェン・リー
SUBJECT: まぼろしの街
なにか話しを聞きたいだって・・・そうだね。僕も半信半疑だが事実だったらこれほどすごいものは無いと思っている話しをしてあげようか
これははるかなる昔の話だよ。
この世界では、そうだね、かの魔法王国カストゥール時代の最中の出来事だと言う事だよ。
それで何が言いたいかだって?ゆっくり聞いて欲しいね、話はまだ始まったばかりだよ。
君はなかなかせっかちみたいだからね。簡単に言って上げるよ。
かの時代、蛮族と呼ばれた僕らの先祖の街が在ったと言う話さ。
街くらい在るだろうって?
あの時代、蛮族は奴隷みたいなものだったんだよ?
だからどうした、何処がすごい話かっていうんだって?
ちゃんと聞いて欲しいね。僕はまだ話の概要を話しただけで総てを話したわけでは無いんだからね。
じっくり聞いてくれる気になったみたいだね、続けるよ。
その街はある意味、魔術師達から独立していた街と言う事だとさ。
そんなものがある訳ない?
ああ、僕もある訳は無いと思うね。だけどこれが本当だったらなかなか面白いものだと思わないかい?
もし実際に存在しても歴史から抹消された街となるだろうけどね。
魔術師達が一々そんな事を残すと思うかい?それに魔法王国崩壊の混乱でそんな確かなものは残って無いと思うけどね。
ま〜僕がこの話を半信半疑だと言う理由を教えて上げるよ。
僕はこの話をある村で聞いたと言う事だ。そして古い本。
よく残っていたと思うよ。ま、誰かがでたらめで書いたものとかもしれないけどね(苦笑)
そこにはこんな事が書いてあったんだよ。
”作れたし泉、広き草原、深き森、切り立った山を結びし場所にかの街はある。
この場所。魔術師達に知らぬなかれ。この街は我らが楽園。我らの街。
かのものたちが支配なき唯一の地なり”
とね。
謎かけみたいだ?
謎かけにしてあるんだろ。魔術師達にはみつけられてほしくなかったみたいだからね。
謎かけにして場所を伝え様としても僕には無駄だと思うけどね。彼らの魔法の力で遠くを見通す力を持っていたらしいからね。
ならそんな街はなかったで終りだって?
そう言ってしまえばみもふたも無いけどね(苦笑)
だけどこう考えたらどうだい?
その街の住人、いや権力者というべきかな?その人達が魔術師達と何らかの密約を交わしていたとかね。
それだったらその街が存続出来ていたとね。暗黙の了解のなか。
面白い考えだ?って
それはありがとうと言うべきかな。僕はその街が実際に存在していたと言うなら見てみたいね。そしてそこでどんな事がおこなわれていたかを知りたいと思っているんだ。
きっとあの時代だ。今には存在しない歌や、物語。それにある種の失われた技法などね。
どうだったい?ある意味興味がある話だろ?満足はしてもらえたかな?
酒の肴程度にはなった。
それはどうも。君に理解を求めた僕が馬鹿だったよ。
また何か面白い話しがあったら聞かせろ
ああ、気が向いた時には聞かせてあげるよ。その時はちゃんと代金をはらって欲しいね。