No. 00057
DATE: 2001/04/23 22:37:52
NAME: チェコリ・パズリッタ
SUBJECT: いままでと、これからと。
旅立とうと決めたのは今から5年前。
そのころはまだ、ひとりだった。
親父に見つからないようにそっと家を抜け出す時は、いつもとても緊張してた。結果は23敗と1勝。
あの、血の一滴まで酒でできてるような呑んだくれのもとから解放されて、はじめのうちは自由に酔いしれた。けれど、そんなのは家を出たその日だけで、次に何をするかを決めるのには恐怖と無知な自分に押しつぶされそうになった。
それから運良くロマールに行く行商に同行させてもらえ、ベルダイン、レイド、ロマールへと旅をした。冒険の初歩的なノウハウも行商の護衛たちと仲良くなって、覚えた。
その街でその行商とは別れ、私は仲間を求めて「白幹亭」という所に足を踏み入れた。そこではまた、たくさんのことを学ぶことができた。仕事の探し方、身体の鍛え方、そして生きる方法。まだまだたくさんのこと。
そこで、弟ができた。クディト、という名の冒険者だ。
彼はあたしの3倍くらいありそうな大きな身体のくせに、とても気が小さい。
彼はあたしを守るという。けれど剣の腕では、あたしに勝てたことがない。
だから、あたしが彼を守ってやろう、と思った。
それから、3年くらいクディトと二人で仕事をこなした。
怪物退治に遺跡調査、護衛。珍しいのではゴブリンの子供を育てる、なんてのもあった(失敗に終わったけど)
ああ、その仕事であの年増とも出会ったのか・・・・。
一応、現在はあたしたちと一緒に旅をしている魔女、ジュリア。彼女はそのゴブリン養育の依頼人だった。
彼女の言う通りにゴブリンの子(名前は「リン」だった)にゴハンを与えてたんだけど、やっぱり身体に合わなくって死んでしまった・・・あれは本当に可哀想な事をしたと思っている。でも当のジュリアは相変わらずゲテモノに目がないけど。
彼女はいたくクディトを気に入っちゃって、仕事が終わっても私たちについてきた。あたしがうっとおしいって言っても気にしてないし、クディトは気が弱いから無下にできないし。で、かれこれ2年も一緒に旅をしている。
彼女の魔術にはたまーーーに助けられてるけど、ね。あんま本人の前では言いたくないな。
これがあたしのいままでの旅。大幅にはしょってるけど、気にしない気にしない。そのうち、またその辺を話すこともあるだろうさ。