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忘れたし風の歌を聴け 彼方へと流れゆく風の歌を聴け
夜の河原に響き渡った歌・・・だがそれは歌と呼ぶにはあまりにも短いものであった。
がさがさと音を立て歌い手に近づくものが居た。 歌い手は顔を上げ音の方を見る。
なんだ君かい?こんな時間にこんな場所に君がいるなんて思いもよらなかったよ 酒場の帰りの酔い覚ましだって? あ〜君にはそれが似合っているね
男は歌い手の隣にゆっくり座る。
続きを聴かせろだって? あいにくと僕はこのフレーズしか知らなくってね
よくそなんなんで歌い手と言えるだって? あいにくと僕は語り手なんでね。だけどこの歌には興味があるから歌ったまでだよ。
ならどんな歌だって? ま、良いか。話してあげるよ。 この歌は1つ村・・・もしかしたら遺跡に眠っているかもしれない。そんな所に少しづつ歌が残っているだけでね。 この歌を集め並び変えないかぎりちゃんとした歌にならないと言うわけさ。
おかしな歌だ。歌と言えるのか?だって さぁ、僕も全部を集めたわけではないからねはっきりした事は言えないね。
全部みつけたら一番に聞かせろだ? 協力してくれたら考えても良いね。ただ絶対とは言わないね。君以外にもそれを望む者がいるかもしれないから
何をすればいい?だって そんな事を聞かなくても解ってほしいね。この歌の噂を聞いたら教えてほしい。ただそれだけだよ。
それくらいなら任せろだって? お願いしたいね。できればメロディーも頼むよ
今、弾いていたのは違うのかだって? あぁ、違うよ。僕がイメージして勝手につけたものだからね
わかったと残すと男は立ち上がり家路についた 歌い手はそこに残り考える。
忘れたし風の歌を聴け 彼方へと流れゆく風の歌を聴け
誰がどんな事を思い歌をわけたのかは誰も知らない
忘れたし歌だから・・・。 |