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……俺が神官になったのは、大体1年半ぐらい前のことだ。
その当時、俺は傭兵をしてた。家を飛び出して金もなかったし、剣はそれなりに使えると思ってたから。無論、いくら親父に習ったとはいえ、本職の傭兵にかなう訳がないから、傭兵になった当初は下働きみたいなことをしながら、剣の稽古を先輩の傭兵につけてもらってたんだけど。 それで、いくつか戦場にも出て、やっと自分が一人前だと思った頃に、それは起こったんだ・・・・・。
その時は、遠くの国――名前は覚えてない――に雇われて、大規模な山賊狩りの一部隊の中に編成された。その時、俺はせっかく一人前になったんだから、大きな手柄を立ててやろうと思っていた。うまくすれば、仕事も増えるかも。 そんな皮算用までしてたほどだ。 それがよくなかったんだな。 功にはやっていたせいで、山賊との戦闘中に、右胸に矢を受けて気を失ってしまったんだ・・・・・・・・。
・・・・・・気がつくと俺は、暗い空間に立っていた。明かりをつけようと思ったが、ランタンどころか服もなかった。 仕方なく俺は暗闇をひたすら歩いた。 しばらく歩いているうちに、「ここは喜びの野か何かへの道じゃないか?」 と思い当たり、自分が死んだんだろうと思った。 しばらく進んでいくと、光り輝く場所を見つけたんで、そこへ行ってみることにした。 そこには1人の鎧をつけた人――はっきりとした姿は光のせいで見ることができなかった――がいた。 近づいていくと、頭の中に声がした。 「汝にまだ戦う意思があればここを立ち去れ、さもなくばここより奥で永遠の休息をするがよい。」 ・・・・こんな内容だった。 俺は、即座に答えた。 「俺はまだ生きて戦う。」と。 すると、光がどんどん大きくなっていき、俺は意識を失った。
・・・・・それから後?特に何もなかったよ。
俺は傭兵達が寝泊りしてるところで目を覚まし、気がついたらマイリ―神の声が聞こえるようになってた。ただそれだけのことさ。
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