11年前…〜メリエルの日記〜( 2001/09/11)
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作者
高迫 由汰
登場キャラクター
メリエル




502.8.6

今日、深夜、ベルダインに到着。
ベルダインは私の先生の故郷、是非来てみたかった所だ。
『白い貝殻亭』という所に宿をとる。
ここの店主に、明日の夜に歌わせて欲しいと言ったら、
「契約してる吟遊詩人はいないから、歌いたきゃ歌え」
と言われた。
まぁ、ラッキーというところだろう。
私の歌声が、ベルダインで通用すると良いけど。



502.8.7

歌は、思ったより反響が良かった。
店の主人も、
「旅立つまでここで専属で歌わないか」
と、言ってくれた。
昨日とはまた違う態度にちょっと可笑しかったが
ここは『芸術の都』、他から来た詩人には
つい厳しいチェックでも入れるのかもしれない。
ま、お金があるのに越した事は無いから、ありがたい申し出だった。
先生、私の歌は、ベルダインでも通用するみたいです。



502.8.8

夜、少年が酒場からつまみ出された。
銀の髪の奇麗な子だった。
後で店主に聞いてみると、
「あんたの歌声に引かれたみたいだぜ」
との事。
嬉しかったけど、子供があんな時間に
どうしてうろついていたのかしらね。


502.8.9

昨日の少年が、弟子にしてくれと私の元にやってきた。
まだ弟子を取る気が無いし、何より『おばさん』に腹が立って
冷たい態度をとった。
だって私、まだ28よ!?
まだギリギリお姉さんで通用するっての!(怒)
あの子の傍を離れる時、
「絶対弟子になってやる」って叫んでいたけど
子供の気持ちなんて変わりやすいし、明日には忘れているでしょ。



502.8.12

ここ2.3日つい日記をサボってしまった。
まぁ、私でもそういう事はあるとして、
何より驚いたのはあの少年。
あんなにしつこく食い下がってくるとは思わなかったわ。
一日中私を探し出しては『弟子にしてくれ』だもの。
でも、ちょっと昔の私を思い出した。
私もああやって、先生に噛り付いたっけ。
明日も来たんなら、考えてあげよう。



502.8.13

あの少年今日も来たわ、しかも朝から。
さすがの私も朝に先生の所にいかなかった。
いやがらせギリギリよ、全く。(笑)
見上げた根性に評して、弟子にしてあげる事にした。
ずっと旅してきたんですもの、久々に一つの場所に
落ちついているのも、悪くないわよねぇ…。
寝泊りする所は、ここまま専属を続けていれば、
店主が提供してくれるっていうしv
少年の名前、出会って4日目でやっと知る事になったわ。
ルギエル…私は彼をルギーと呼ぶ事にした。
気に入った人間をあだ名で呼ぶのは、
私の昔からの癖みたいなものだしね。






  


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