観察日記( 2002/05/22)
MENUHOME
作者
しろねこ
登場キャラクター
ダルス・ドーム



朝。陽が昇るちょっと前に起こされる。
対象に起こされたのがショック。
馴れないベッドで寝たからという言い訳はきかないだろう。
天気は良好。
今日も暑くなりそう。

対象の宿は「青林檎の樽」亭。
ドワーフ小人によるドワーフ小人の為の宿。
全ての調度品はドワーフ職人の手によるもので、全ての家具はドワーフ仕様。
幸い、私は背が低いのでなんとかOK。

対象は私を自分が起きてすぐに私を起こしたらしく、間を置かずに朝の礼拝を始める。
ドワーフ硝子のはまった窓の外に向けて、肌着のまま神(マイリー神)に祈る姿はどこか滑稽。
身支度を整えて外出。
半袖シャツにだぼだぼのパンツ。
年中通して同じような格好の対象は熱さ寒さを感じないのだろうか。
何はともかくお腹がすいた。

車軸通りにある「東風工房」に到着。
対象の旧知の友人であるドワーフ小人、ゴセットの木工工房。
対象はここの客分だとか。
まだ陽が昇って間もないというのに、既にノミ、鎚の音が響いている。
近所迷惑ではないのかと訊ねたら、この通りのほとんどは何某かの工房で、どこも朝は早いそうな。

一通りみんなの仕事を見た後、ゴセット親方とその徒弟さんたちと一緒に朝食。
パンにバター、蜂蜜に塩漬け肉と根野菜のスープ。
質はともかく量だけは十二分。
さすがに酒はでなかった。
その後、対象は午前中いっぱい工房で箪笥に細工をしたり、徒弟さんたちに檄を飛ばしたりする。

昼。対象に露店で焼き鳩を奢ってもらう。
旨し。
先日の探索で曲ってしまった鉄の棒(対象の得物。鉄棍と言うらしい)の代わりを受け取りに金床通りの「バンス武器店」に行く。
やはり木だよ、木、とか言いながら、店主が奥から出してきた鉄の環っかのはまった棒を軽く振って按配を確かめる対象。
どうやら特注品らしい。
持たせてもらったら、以前の鉄の棒より重かった。
なぜ?

スキップでもしそうな感じで歩く、一緒に歩くのは恥ずかしい対象はマイリー神殿に。
一時間ほど一人で棒の素振りをする。
ドワーフらしからぬ得物をドワーフらしい力強さで振る姿はなかなか面白い。
一旦街へ出て、太陽丘にある「流星の集い」亭に連れて行ってもらう。
店構えと中身が一致しない。
お腹一杯おいしい料理を詰め込む。
対象はしこたま酒を入れていた。
どうやらさっきの焼き鳩はおやつだったらしい。
料理も良いが面白そうな本が山ほどある。
今度はゆっくり一人で来よう。

食後再び神殿に。
夕刻まで時折他の人を相手にしながら訓練をする。
新しい棒の感触にご満悦な対象。
その後30分程聖堂で祈りを捧げる。
何を言っているのかまるでわからなかったが、それなりに心地良くなるのは場の為か声の為か。

風呂屋で汗を流し、夕食は冒険者仲間の家で。
オランにある、術師ヤオの実家は私から見たら立派な構えをしている。
自然、食事もそれなりに豪勢になる。
あちらの好意でマナーやら何やらを気にしなくていいのは私には有難い。
饗される酒も、今では各自の好みのものが出てくるようになっている。
エルフにドワーフ、そしてハーフエルフまで居るこの面子。
料理人の方も毎度いろいろ頭を悩ませていることだろう。

食後にお茶を飲みながら情報交換。
次に潜る場所と日程を決める。

夜も更けた頃、対象は酒場のハシゴを始める。
時には「東風工房」の人が一緒のこともあるらしいが、今宵は私と二人だけ。
3軒目の「ケーンの酒肴」亭で喧嘩が起きる。
酔っ払いがふらついてぶつかったのがきっかけ。
よくわからない理屈で怒る酔っ払いを旧知の友人のように巧みに店外へ連れ出す対象。
ものの数分とも経たない内に戻ってきた対象曰く、

「気持ちが悪くなったらしくて裏で吐いておる」

何がその原因であろうか推測は容易だが、明記はしない。
結局その日は5軒をハシゴし、「連れ合い(私のことだ)が居るから」と夜半過ぎに「青林檎の樽」亭に戻ってくる。
ベッドに入る前にまたもマイリー神に祈りを捧げる対象。
神官はマメでなくてはいけないのだろうか。


以上が対象のドワーフ、ダルス・ドームの一日である。

                        レイ・フェル



  


(C) 2004 グ ループSNE. All Rights Reserved.
(C) 2004 きままに亭運営委員会. All Rights Reserved.