追いかけっこ
( 2002/11/05 )
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作者
そらしど
登場キャラクター
ミニアス
たまたま知り合った連中と意気投合し、5日程パダに行き、それなりに儲かった。
そのため、オランに戻ったその日は騒ぎたおした。
そして翌日の早朝。ギルドへと向った。
とりあえず、今年の残りと来年分の金を納め、それから頼んでおいた事について聞いてみる。
しばらく黙っていたが、どこからか出した小さな袋を目の前に出して言った。
「あたりだった。」
だがそれは枝葉であったとも告げられた。
小さな袋をとる前に聞いた。
「連絡はマメにするけれど、もしもの時はそれなりに動いていいかい?」
「確実なのがなければ、お話にならないよ。」
苦笑しながら「そうだよね」と答えておく。
たまたま。
ぐうぜん。
最近はそんな言葉に躍らされているような気がしている。
いや、最近なんかじゃなくて、この街に来てからずっと・・・・・ってわけでもないか(苦笑)
昔っからなんだろうな。
だから。
細い路地を歩いている途中、横を見たら数人の大人に子供が殴られている状況が現われたり。
その間に入って、殴っていた大人連中を退けてみせたり。
倒れている子供に手を伸ばしたら持っていたナイフで突いてきて、とっさにかばった自分の右手に刺さったり。
反射的に左手で、子供を殴り飛ばしたら自分が悪役みたいで微妙に笑いが込み上げたり。
殴り飛ばされて脅えている子供に、刺さっているナイフを抜いた後、敵と味方を見定めろとだけ言って立ち去ったり。
その後歩きながら、右手の傷を布でぐるぐると巻いている時。
見知った顔・・・・いや、自分が追いかけている相手だった。
追いかけたい、飛び掛かって殺してやりたいという衝動をこらえ、その場をそのまま去る。
細い路地から大通りにぬけるまで。
そんな長い距離ではない。いつもならば、もう抜けたと思うような距離である。
大きく息を吐く。
通りには歩く人がだんだんと増えていく。今日はその増えていく人の1人になろう。
そう、とりあえずは。
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